リガクが新技術で国際的な評価
株式会社リガクは、3Dフラッシュメモリの欠陥検査において新たなアプローチを発表し、その成果が認められて国際的な論文賞である『The Diana Nyyssonen Memorial Best Paper Award』を受賞しました。本記事では、その革新的な技術と受賞の背景について詳しくご紹介します。
受賞した技術の概要
リガクが発表した技術は、超高分解能X線顕微鏡を用いたもので、従来の光学顕微鏡に比べて約10倍以上の解像度を誇ります。この技術により、3Dフラッシュメモリ内部に埋め込まれた金属構造や非常に深い穴(メモリホール)の形状を非破壊で詳細に観察することが可能となります。これは半導体製造の現場において非常に重要な課題を解決するための画期的な手法であり、業界からの期待が高まっています。
受賞の理由
本賞は、半導体製造におけるリソグラフィー技術の最新の研究成果を取り上げる「SPIE Advanced Lithography + Patterning Conferences」において、計測、検査、プロセス制御における優れた論文が対象です。リガクの技術は、ナノスケールの観察を可能にし、かつ非破壊での査定を実現しているため、技術者たちから高い評価を受けました。特に、製造プロセスの歩留まり向上にも寄与する可能性が高い点が評価に繋がりました。
将来的な展望
リガクは、今後この技術を装置に実装し、3Dフラッシュメモリの製造現場に導入することを目指しています。装置への実装は2年後を予定しており、これにより製造プロセスの最適化や効率向上が期待されています。さらに、本技術は多層デバイスの接続部分の欠陥検査などへの応用が見込まれており、さらなるイノベーションが期待されています。リガクは、技術の進化を通じて新しい価値を生み出すことを目指しています。
企業紹介
リガクグループは、X線分析技術をコアに据え、様々な分野での分析ソリューションを提供する企業です。1951年の創業以来、90カ国以上で活動を展開し、日本国内では高いシェアを誇ります。また、海外売上高は全体の約70%を占めています。分野は半導体や電子材料、環境・エネルギー、ライフサイエンスなどに拡大しており、2,000人以上の従業員が「視るチカラで、世界を変える」ことを目指して日々努力を続けています。
これからもリガクの技術革新に注目していきたいと思います。