ULTEC設立の背景
2025-08-25 13:50:34

ウルトラワイドギャップ半導体技術を活用したスタートアップULTEC設立の背景

ウルトラワイドギャップ半導体技術の新たな夜明け



新たに誕生したULTEC株式会社は、日本の半導体技術の未来を切り拓くスタートアップとして注目されています。この企業は、旭化成の先進的な技術を基盤にし、窒化アルミニウムを用いたウルトラワイドギャップ半導体技術を活用しています。この技術は、深紫外線レーザーダイオード(UV-C LD)や遠紫外線LED、深紫外線センサといった新たな用途に挑戦する部品の開発を進めることを目指しています。

設立の背景と目的


旭化成は自社内での伝統的なビジネスモデルを見直し、スピンアウト型のベンチャー企業を設立することで、より柔軟な意思決定が可能になると考えました。ULTECは、その名古屋市に拠点を構え、設立当初から名古屋大学との緊密な連携を図っています。この共同研究は2017年に始まり、2019年には室温でのパルス発振を、2022年には室温での連続発振に成功しており、国内外で高い評価を得ています。

一方で、この技術はまだ確立した市場が無く、将来性はあるものの不確実性も多いため、今後の市場形成が鍵となるでしょう。

反響と技術の可能性


ULTECは、2023年にはBerthold Leibinger Innovationspreisで第3位を受賞するなど、その技術力は国際的にも認められてきました。この技術の具体的な用途は、ケミカル・バイオ計測や殺菌、さらには医療や環境分野への応用が期待されています。それにより、私たちの生活をより豊かにする可能性を秘めているのです。

ULTECのビジョンと将来


ULTECのCEOである吉川陽氏は、深紫外線レーザーダイオードの技術が“できない”と言われ続けてきた領域であることを認識し、社会実装への期待を込めて新たな一歩を踏み出したと述べています。このスタートアップは、名古屋大学のリソースと旭化成の技術を最大限に活用しながら、工業、医療、環境等の分野で新たな価値を生み出すことを目指しています。

また、旭化成の常務執行役員である松崎修氏は、ULTEC設立は無形資産を活用した新しい価値創出の取り組みの象徴であり、オープンイノベーションを推進すると強調しました。今後の技術の進展が、持続可能な社会の実現に貢献することに期待されます。

経済産業省の支援とその影響


ULTEC設立に際しては、経済産業省の「大企業等人材による新規事業促進事業」を利用しており、旭化成の人材がULTECに出向して新しい事業の立ち上げを支援しています。これにより、他の業界でも参考にされるような新しいビジネスモデルの確立が進められています。

今後ULTECは、半導体技術の新たな挑戦を通じて、社会に貢献するための継続的な革新を目指し、その一歩一歩を進めていくことでしょう。


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会社情報

会社名
旭化成株式会社
住所
東京都千代田区有楽町1-1-2日比谷三井タワー
電話番号
03-6699-3000

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