KPMGジャパン発表のベンチャーキャピタル投資報告
KPMGジャパンは、2024年第4四半期における「Venture Pulse」レポートの日本語通訳版を発表しました。この報告書は、世界のベンチャーキャピタルによる投資の最新の動向を引き出す重要な文献です。特に2024年第4四半期では、投資額が前年の水準を上回る一方で、地域によって異なる傾向が見られました。
2024年第4四半期:主要な指標
2024年の第4四半期における世界全体のベンチャーキャピタル投資額は、前年の845億米ドルから1,086億米ドルに増加しました。しかし、投資件数は若干減少し、7,022件となりました。
地域別の投資動向
- - 南北アメリカ: 投資額は474億米ドルから787億米ドルと大幅な増加。
- - 欧州: 投資額は137億米ドルから156億米ドルへと緩やかに増加。
- - アジア太平洋地域: 投資額は224億米ドルから128億米ドルへ大幅に減少。
- - 日本: 特に目立った減少があり、20.1億米ドルから12.8億米ドルに転落。
このように、それぞれの地域での投資の動向には明確な差があり、特に日本の減少は業界の関係者にとって大きな警鐘となります。
2024年全体のベンチャー投資の概要
2024年全体では、世界のベンチャーキャピタル投資額は3,494億米ドルから3,683億米ドルへと増加しています。一方、企業のベンチャーキャピタル投資も同様に増加傾向にあり、1,779億米ドルから1,851億米ドルに達しました。
興味深いことに、イグジット金額は昨年と比べて減少し、1,714億ドルから1,346億ドルへと下回りました。この数字は、過去7年間で最低水準に達したことを示しています。投資の機会が多様化する一方で、エグジットの際には厳しい状況が続いているようです。
2025年第1四半期に予想されるトレンド
2025年第1四半期に向けては、AI分野へのベンチャーキャピタル投資が特に注目されています。この分野は他の全てのジャンルを凌ぎ、産業ソリューションやAI対応ロボットへの投資が拡大していく見込みです。加えて、防衛技術、医療、バイオテクノロジー、サイバーセキュリティ、代替エネルギーなど、さまざまな領域でも引き続き活発な投資が期待されています。
結論
KPMGジャパンの今回のレポートは、各地域や業界におけるベンチャーキャピタルの動向を理解する上で非常に重要です。特に日本における投資額の減少は、業界の関係者に対し新たな戦略の必要性を示しています。これからのトレンドを見極め、適切な投資行動を取ることが求められています。
本レポートの詳細は、KPMGのウェブサイトでご確認ください。