パーソルテンプスタッフがAI審査システムを初導入し業務効率化を実現

パーソルテンプスタッフがAI審査システムを導入

総合人材サービスを展開するパーソルテンプスタッフ株式会社は、外部委託先の審査業務を効率化するために新しいAI機能を搭載した審査システム「Conoris BP」を導入しました。この取り組みは、従来の手作業によるリスク判定やレビュー業務を自動化するもので、特に煩雑さが増している外部委託業務に大きな変革をもたらします。

背景: 外部委託の複雑化と業務効率化の必要性

近年、企業におけるガバナンス強化の流れに伴い、外部委託先に対する厳重な審査が求められています。特に、様々な審査項目が存在する中で、リスク評価を正確に行うには専門知識と多角的な視点が必要ですが、手作業での審査は時間と労力を浪費し、審査の標準化が難しいという課題がありました。

パーソルテンプスタッフでは、年間約300件以上の外部委託申請に対処しており、審査件数は年々増加しています。そのため、Excelフォーマットでの回答に依存する方法では、入力ミスや不備が生じ、申請受付までの時間がかかってしまうという問題がありました。特に、財務情報のチェックやサービス内容に対するリスク評価は非常に煩雑であり、平均で3時間の時間を要しています。

AIレビューアシスト機能の導入

新たに導入された「Conoris BP」は、AIを使用して外部委託先の審査を効率化し、審査の精度向上を目指しています。このシステムは、AIがリスク評判を自動で行い、従来の手続きと比較して大幅な作業時間の短縮を実現します。また、AIレビューアシスト機能は、社内規程やフレームワークを基にしたRAGを用いて、リスク判定やレビューを自動生成します。

2024年10月から導入されるこの機能は、半年間のフィジビリティ期間を経て2025年4月には正式にリリースされる計画です。この機能により、記入漏れやミスが大幅に削減され、外部委託先の重要情報を効率的に管理できます。

特に注目すべきポイントは、AIの導入後に平均3時間かかっていた審査対応時間が1時間に短縮され、最短で20分以内に完了することができる点です。これにより、担当者はより戦略的な業務に集中でき、従来の業務負担が軽減されるでしょう。

AIレビューアシスト機能の特長

1. 自動化されたリスク判定: AIが外部委託先のリスクを効率的に自動で判定、手作業による負担を軽減。
2. 高精度なレビュー: 提案資料やサービスのリスクポイントを抽出し、正確なレビューを保証します。
3. Human in the Loopの徹底: AIによる自動生成のレビューは担当者が最終確認できるため、誤判断を防ぎます。
4. 時間とコストの削減: 手作業からAIへの移行によって、業務の効率化とコスト削減を実現。

今後の展望

パーソルグループは、今後もAIやテクノロジーを活用し、より質の高いサービス提供を目指しています。また、企業や従業員が安心して働ける環境を整えるための取り組みを強化する位置づけです。CEOの木村和成氏は「全ての人がその能力を存分に発揮し、活躍できる環境を目指していく」と述べています。パーソルテンプスタッフの進化と共に、日本の多くの企業がこの先進的な取り組みから学びを得ることができるでしょう。