益城町震災公園の魅力
2024-05-16 10:00:02

震災の記憶を未来へつなぐ益城町震災記念公園の魅力

震災の記憶を大切に。益城町震災記念公園の魅力



熊本地震は2016年3月に発生し、多くの人々に甚大な影響を与えました。特に益城町は震源地となり、復興のための新たな取り組みが必要とされました。その結果、設計事務所Tetorと風景工房が手掛けた「益城町震災記念公園」がオープンしました。この公園は震災の記憶を後世に伝える場としてだけではなく、地域の人々が集い、憩う場所としても求められています。

公園のデザインの背景



益城町震災記念公園の設計における願いは二つです。一つ目は熊本地震の記憶を伝える場所としての役割を果たすこと。二つ目は地域住民が日常的に憩い、交流を深められる場を創出することです。この公園の北西部には、プロダクトデザイナーの小宮山洋が施した印象的なモニュメントが設置されています。このモニュメントに向かって、プロムナードが延びており、過去の記憶と向き合う場を整えています。

非日常と日常の融合



公園は非日常と日常の両方を体現しています。非日常という観点では、モニュメントは力強さと優しさを兼ね備えた存在です。一方で、日常の主役は訪れる人々です。プロムナードに囲まれた芝生広場は、復興まちづくりセンター「にじいろ」へと通じ、地域住民の日常生活に溶け込むことを意図しています。この広場は演奏やイベントの場としても利用され、利用者が自由に居場所を見つけられる環境を提供しています。

地形を生かした設計



公園の敷地は、北から南へと向かって下る勾配が特徴です。この地形を活かしたデザインによって、段差を工夫して解消する壁を周囲に設けています。東側の園路は段差を調整し、様々な高さに応じてベンチとしても使えるように設計されています。高低差による視覚的な美しさを持ちながら、どこでもくつろげる空間が生まれました。これは多くの職人たちの手作業によって形作られています。

優しさを感じるモニュメント



震災記念公園のモニュメントは、力強さと優しさを持ったデザインが求められました。訪れる人々に心地よい存在感を提供しつつも、震災の記憶を永遠に伝え続ける役割を果たしています。23本から成る柱は、手を合わせる形状が特徴で、これは震災が発生した2016年と公園がオープンする2023年の数字にちなんでいます。

梅の花をモチーフに



モニュメントの断面は、益城町の町花である梅の花をモチーフにした柔らかな曲線で表現されています。梅は厳しい冬の中でも咲く姿から、震災から復興する町の象徴とされています。また、職人たちによる丁寧な磨きによって、来訪者の姿や自然の風景を映し出す効果も期待されています。これにより、公園は四季折々に変わる情緒的な表情を持つ場所へと育まれるのです。

まとめ



益城町震災記念公園は、震災の記憶を未来へと繋げるだけでなく、地域住民が集い、癒されることを目的とした新しい公共空間です。それぞれの人が自分自身の居場所を見つけ、つながりを深めていくことができるこの公園が、益城町の明るい未来を育んでいくことを願っています。

会社情報

会社名
株式会社Tetor
住所
東京都新宿区神楽坂4-2福井ビル401
電話番号
03-6280-8360

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