シニア向けSNS「おしるこ」が会員数10万人を達成
カイト株式会社が運営するシニア向けコミュニティSNS「おしるこ」は、50歳以上のユーザーによって支えられ、令和5年11月には会員数が10万人を超えました。このプラットフォームは、高齢者の社会的孤立やフレイル(虚弱)の問題に焦点を当てており、神奈川県の「神奈川ME-BYOリビングラボ」実証事業に採択されています。これにより、心理的つながりを形成し、オンラインとオフラインの交流を促進することを目指しています。
超高齢社会における社会的処方の必要性
日本は超高齢社会に突入しており、高齢者の社会的孤立やフレイルが深刻な問題となっています。特に、「社会的フレイル」とは他者との関わりの減少が原因で、将来的には要介護や認知症などのリスクを高めます。このような背景から、地域とのつながりを重視する「社会的処方」が重要視されています。「おしるこ」は、デジタルプラットフォームを通じて、高齢者がリアルな社会参加を促進するための環境を提供しています。
安全なコミュニティと機能充実
「おしるこ」は、会員登録時に本人確認を必要とし、安心して利用できる匿名SNSです。AIと有人による24時間の安全管理体制を整え、参加者は日記投稿や趣味グループ、歩数ポイント機能などを通じて健康維持や仲間づくりを支援されます。特に注目すべきは、AIチャット機能の「なごみ」で、孤独感を軽減する手助けをしています。これらの機能は、シニア層にユニークな交流体験を提供し、平均年齢64歳の多様なコミュニティを形成しています。
「神奈川ME-BYOリビングラボ」実証事業
神奈川県が進める「神奈川ME-BYOリビングラボ」では、未病改善を目的とした活動が行われており、「おしるこ」の利用促進が評価されています。この実証事業では、シニア向けSNSを通じて社会的フレイルを抑制する効果が検証される予定です。具体的には、ランダム化比較試験(RCT)を基に、SNS利用者の行動変容が社会的フレイルに与える影響を高いエビデンスレベルで測定します。この試みは、高齢者の日常生活において、デジタル技術が果たす役割を明らかにするためのものです。
将来への展望
本実証事業を通じて、デジタル活用が高齢者の健康寿命を延ばし、孤独感を軽減するためのエビデンスを確立することを目指しています。将来的には、これを基に自治体や医療機関と連携し、データドリブンなサービス展開を図り、会員数の拡大を目指します。最終的には、多くの高齢者が安心して交流し、自己実現を果たせる社会の構築を目指して活動を進めていきます。
会社情報
カイト株式会社について
カイト株式会社は、「年齢を重ねることが不安ではなく、楽しみになる社会の実現」をミッションに掲げ、シニア層向けのデジタルサービスを中心に展開しています。創業以来、大きな社会課題とも言える高齢化に対して、ITを駆使した新たな価値を提供してきました。今後もテクノロジーと人とのつながりを活かし、持続可能な社会づくりに貢献する企業であり続けます。