『コロナ氷河期』ついに登場!
9月19日、リリースされた新書『コロナ氷河期終わりなき凍りついた世界を生き抜くために』が注目を集めています。本書は、コロナ禍によって変わりゆく日本の雇用環境を深く掘り下げ、これからの働き方についての新たな視座を提供します。著者は人材育成の専門家、前川孝雄氏で、30冊以上の著書を持つ実力派です。
コロナ禍がもたらした雇用環境の変化
2021年卒の大卒求人倍率は、前年比で0.3ポイント以上の下落を見せ、1.53倍となりました。この数字は、コロナ以前から続く「就職氷河期」の影響を受けており、特に新卒者の雇用状況は厳しさを増しています。また、コロナ禍により企業の多くが「早期・希望退職」を募るなど、経済に悪影響を及ぼしています。上場企業における退職希望者の数は、前年から6倍に増加し、現役世代の失業リスクは高まっています。
本書の特徴と提言
この書籍では、今後のキャリアプランの考え方を学べます。第一章では、コロナ禍で社会問題として浮上する「就職氷河期」の再来について考察し、終わらないコロナ氷河期がもたらす影響について分析しています。全ての世代に求められる「キャリア自律」の重要性が強調されており、自分のキャリアをどう考えるべきか示唆を与えています。
第二章は、20代・30代に焦点を当て、コロナ氷河期の中での企業選びのポイントを解説。特に今の時代には「転職を前提とした入社」が求められることを指摘しています。「越境する企業」という新しい選択肢に光を当て、受け身ではなく、積極的に自分のキャリアを築く姿勢が求められています。
第三章では、就職氷河期世代に対する支援の必要性や、逆境をチャンスと捉える考え方に触れています。行政や企業が見捨ててしまった世代が、自らの力で道を切り開くためのヒントが散りばめられています。特に「人のやりたがらない仕事」に着目することで、新しいキャリアの危機をチャンスに変える視点が重要とされています。
第四章は中高年世代に向けたキャリア戦略であり、独立に向けてのスキルアップの重要性を説いています。「年功序列」や「終身雇用」が崩れつつある中で、自立したキャリア形成を意識することが求められています。
経済の未来に向けて
また、本書は対談も収録されており、日本総合研究所副理事長の山田久氏や、ルーセントドアーズ代表取締役の黒田真行氏といった専門家が、マクロ視点からの「コロナ氷河期」の全体像や、転職市場について意見を交わしています。これにより、読者は多角的な視点から情報を得ることができます。
おわりに
新書『コロナ氷河期』は、今後の経済や雇用の環境を理解する上で欠かせない一冊です。働く人々がいかにこの困難な時代を生き抜いていけるのか、そのヒントを提供してくれる内容となっています。ぜひ手に取ってみてください。
書籍情報
- - 書籍名:『コロナ氷河期終わりなき凍りついた世界を生き抜くために』
- - 出版社: 扶桑社
- - 著者: 前川 孝雄
- - 定価: 1,400円(税抜)
- - 判型: 四六判・ソフトカバー
- - 発売日: 2020年9月19日