Secured Financeがトークン化国債・オンチェーン市場に参入
2026年5月、スイス・ツークを拠点とするSecured Finance AGが、Progmat, Inc.が主催する「デジタルアセット共創コンソーシアム」(DCC)の一環として設置された「トークン化国債・オンチェーンレポワーキンググループ」(以下「本WG」)に参加することを発表しました。この参加により、Secured Financeはレンディングプロトコルの専門知識を活用し、機関投資家向けオンチェーン市場の発展に寄与することを目指しています。
トークン化国債とステーブルコイン
本WGでは、トークン化日本国債(Tokenized JGB、以下「TJGB」)とステーブルコインを用いた新たなオンチェーン・レポ取引の開発が進められます。これにより、法律や会計、税務、技術面での検討を通じ、実務的な取り組みが進むことが期待されます。
日本の国債市場は既存の制度が整備されているため、単に国債をトークン化するのではなく、新たな流動性や資金効率を生むインフラとしての可能性が求められています。特に、TJGBとステーブルコインを組み合わせることで、資金の構築やクローズを即時に行う「T+0」の取引が可能になります。これによって、日中の資金の利用効率が向上し、担保の管理や評価、清算、決済が一体化され、新たな市場環境が整備されていくことでしょう。
Secured Financeの役割
Secured Financeは、本WGにおいて次のような知見を提供します:
1. オンチェーン・レンディング市場の設計
2. トークン化資産を担保にした資金取引のライフサイクル設計
3. 担保管理、時価評価、清算・決済に関するプロトコル設計
4. ステーブルコインを基盤とした取引構造の検討
5. 機関投資家向けのオンチェーン市場インフラ構築に関する要件整理
特に、これらの分野での知見は、機関投資家が利用する上で、特に重要な要素となるでしょう。
新たな市場の意義
Secured Financeの創業者兼CEO、菊池マサカズ氏は、今回の参画について次のように述べています。「トークン化日本国債とステーブルコインを用いたオンチェーン・レポ取引を設計することは、オンチェーン金融を実運用の市場インフラへと進める重要な一歩です。」国債レポは金融市場の流動性を支える重要な取引であり、そのオンチェーン化は単なる業務の置換にとどまらないと強調しています。国債やステーブルコインといった高品質な担保資産と新たなインフラを組み合わせることにより、リアルタイムでの取引が実現されるというビジョンを持っています。
今後の展望
本WGは2026年5月にキックオフし、10月には成果報告を行うことを目指しています。Secured Financeは議論に参加しつつ、トークン化国債とステーブルコインを利用した市場設計に関する技術的な考察を発信していく予定です。
このプロジェクトは、特定の商用サービス開始を目的とせず、特定プロダクトの採用を目指すものではありません。すなわち、これはあくまで新たな金融市場基盤の形成に向けた取り組みであり、未来に向けた大きな一歩と言えるでしょう。