日立、トヨタに新しい特許情報分析サービスを提供
株式会社日立製作所は、トヨタ自動車株式会社に対し、最新の「特許情報分析サービス」を8月から導入しました。このサービスは、知的財産情報を視覚的に把握できるように設計されており、特許業務に関する専門知識がない方でも効果的な分析が可能となります。
サービスの特徴
本サービスは、データを取り込むと自動的に分析グラフが生成され、業界の動向や競合の技術に関する迅速な情報提供が実現します。これにより、トヨタの知的財産部門や開発部門は、社内の関係者と情報をスムーズに共有しながら業務効率を高めることができます。
試行導入段階では、知財部門の分析作業が短縮され、特許調査件数の増加が期待されています。専門のスキルがなくても、最新の技術動向を理解しやすくすることで、戦略的な意思決定に繋がるとされています。
知財活動の重要性
トヨタは年間約14,000件の特許出願を行い、2022年には日本で特許出願数のランキングトップに立つなど、特許活動において高い評価を受けています。未来に向けたモビリティ社会の実現に向け、経営政策と連動した知的財産活動を推進しています。そのためには、多くの部門が知的財産情報を適切に活用する必要があり、本サービスの導入がその助けになります。
従来、知資部門の限られた人数による分析しか行われていなかったため、全ての分析要望に応えることができないという課題がありました。日立は、2011年から特許情報提供サービス「Shareresearch」を通じ、トヨタの特許文献調査をサポートしてきました。
ユーザーの利便性向上
この新サービスでは、特許業務の専門家でない方でもグラフを読み解くためのヒントを得られるガイド機能も装備されています。さらに、トヨタグループの研究者たちが蓄積してきた特許調査データをシームレスに取り込むことが可能なため、分析作業までの時間を大幅に短縮できます。ここで得られる情報は、競合他社の技術動向や業界全体の流れを迅速に把握するための手助けとなります。
知的財産情報の価値創出
本サービスは、グラフとそれに対するコメントをレポート形式で出力できる機能が付いています。これにより、プロジェクトチーム内での情報共有が容易になり、経営施策の検討にも役立ちます。知的財産部門での調査データが、他部門の新製品開発やリスク管理の判断材料として活用されることが期待されています。
今後の展望とイベント
今後、日立はトヨタからのフィードバックを基にサービスの機能を拡大し、更に生成AIを活用した特徴的な解析機能を追加する予定です。また、トヨタは導入を進め、部門間の協力を強化しながら知財情報の活用を広げています。
2024年10月2日から4日まで、東京ビッグサイトで開催される「知財・情報フェア&コンファレンス」に日立が出展し、特許情報分析サービスの詳細を紹介する予定です。
このように、日立の新たなサービスは、トヨタの知的財産活動をさらに推進し、効率的な経営実施に寄与することが期待されています。