キャセイグループ、1,000億HKドルの投資で航空業界に新風を
キャセイグループは2024年8月8日に行った決算発表において、今後7年間で1,000億香港ドル以上の投資を行うことを発表しました。この投資は、顧客体験の向上及び香港の国際航空ハブとしての地位向上に寄与することを目的としています。
具体的な投資内容
この戦略的投資は、航空機の新規購入や客室プロダクト、空港ラウンジの改修、そしてデジタル化や持続可能性の推進に焦点を当てています。特に、エアバスA330-900型機30機が2028年から段階的に納入され、アジアのさまざまな都市に就航する予定です。
キャセイは現在、100機以上の次世代航空機の導入を計画しており、将来的には全80機以上の追加取得が可能な権利も保有しています。これによりキャセイ航空は、現代的で効率的な航空運営を実現しつつ、二酸化炭素排出量の削減にも寄与する方針です。目標は2050年までにCO₂排出ネットゼロを達成することです。
新しい顧客体験の提供
今後3年間には、キャセイパシフィックのプレミアム・エアラインとして新たな製品を発表する予定です。2023年後半にはボーイング777-300ERのデザインを見直し、新型ビジネスクラスシート「アリア・スイート」や、エコノミーとプレミアムエコノミー用の新シートが提供されます。
さらに、2025年には777-9型機のファーストクラス、2026年にはA330型機への新客室とフルフラットベッドのビジネスクラスを導入する計画があります。また、ビジネスクラスの利用客やダイヤモンド会員向けに機内Wi-Fiの無料提供も進行中で、機内エンターテイメントやダイニングの充実を図ってます。
地上サービスの向上
地上サービスについても、今後の3年間で香港国際空港や北京首都国際空港にあるフラッグシップラウンジのデザインをリニューアルし、アメリカのジョン・F・ケネディ国際空港には初の専用ラウンジを開設する計画があります。
キャセイグループの会長パトリック・ヒーリー氏は「香港国際空港の第三滑走路の完成を迎え、キャセイと香港にとって成長の機会となるエキサイティングな時期が訪れる」と語ります。また、これらの投資は、香港の経済発展を支える決意を表しているとも述べています。
2024年度上半期の業績
キャセイグループは2024年度上半期の決算で36億香港ドルの戻り利益を計上しましたが、前年同期より減少しています。航空券価格の正常化が影響したものの、関連会社の業績は3ヵ月遅れで計上され、損失が確認されています。
再建段階に入ってから1年半が経過し、キャセイは香港特別行政区政府に対して総額24億4,000万香港ドルの配当金を支払いました。また普通株主に対しても中間配当を発表し、再建への進展をアピールしています。
航空の未来とキャセイの挑戦
キャセイは現在、航空と地域経済の成長の必要性を理解し、さらなる発展を目指しています。キャセイパシフィックと香港エクスプレスによって、現在80都市に就航中で、2025年中には100都市体制を目指す計画です。
顧客体験の質が高いこともキャセイの強みであり、2024年度のワールド・エアライン・アワードにおいては、日本の格付け機関から『ワールド・ベスト・エコノミークラス』に選ばれました。
最後に、キャセイは確固たるビジョンをもって、社員と顧客、株主、地域社会に誇りを感じてもらえるよう努め続けます。国際航空ハブとしての成長を支えるため、今後も政府や協力会社と共に連携して取り組んでいく所存です。