地域共創基盤の挑戦
2023-07-03 10:00:03
地域と和菓子文化をつなぐ新たな取り組み、地域共創基盤の挑戦
地域共創基盤、和菓子業界の未来を見据えたM&A
近年、後継者不足や高齢化によって地方の中小企業が直面する問題が深刻化しています。株式会社地域共創基盤は、そうした現状を打破するために新たな挑戦を始めました。この度、愛知県一宮市に本社を置く和菓子製造・販売企業である株式会社きよせと株式会社いちのの株式を取得し、新たな企業グループを形成しました。
和菓子製造の専門性
株式会社きよせは、東海地区を中心に大手スーパーマーケットを主要な顧客とし、生和菓子を中心にOEM(相手先ブランド名製造)を手がけています。同社の強みは、差別化された価格競争に巻き込まれずに多様な製品を小ロットから大ロットまで製造できることです。また、冷凍技術の蓄積があることで、全国に和菓子を供給することを可能にしています。冷凍前と解凍後の品質を一定に保つ技術は、顧客のニーズに合わせた製造を実現し、ロスの少ない販売を促進します。このような強みが、和菓子OEM市場での競争力を際立たせています。
一方で、株式会社いちのは、愛知県一宮市の濃尾平野で収穫された新鮮な食材を使用し、自社ブランドの生和菓子を企画・販売しています。地域の特産品を活かした商品開発を行い、顧客に愛され続けています。
地域共創基盤のビジョン
株式会社地域共創基盤は、親会社であるCFOジャパン株式会社の「地域共創基盤」構想のもとに設立されました。この構想は、「中小企業は個々で戦うのではなく、強みを持ち寄り、集団で戦うべき」という理念に基づいており、各企業が協力し合うことで成長を目指します。2021年には、創業137年の老舗小売業・株式会社カネジョウの事業承継も成功させており、今回の和菓子企業の取得は、グループとしての第2号案件となります。
グラン世代への注目
ターゲットとなる顧客層は、50歳以上の「グラン世代」です。この世代はお金や時間に余裕があり、品質の高い商品を求める傾向があります。今後、この世代へのアプローチを強化し、オンラインでは得られない販売員と顧客との信頼関係を築くことで、新たな商品やサービスの提案を行う方針です。
事業承継問題への対応
さらに、地方における事業承継問題にも真剣に取り組んでいます。中小企業庁によると、2025年には約60万社が廃業に追い込まれるとされ、多くの雇用が失われる恐れがあります。地域共創基盤は、経営改革を進め、地方の魅力的な雇用を守ることに努めています。“若者を惹きつける郷土創り”を目指し、地域経済の活性化を図ることで、地方の企業が活気を取り戻すことを狙っています。
和菓子文化の継承
和菓子は、日本の伝統的な食文化の一部であり、季節の行事や祝い事に欠かせない存在です。和菓子市場は安定して推移しているものの、廃業が進んでいるという現状があります。地域共創基盤は、株式会社きよせの冷凍技術を最大限に活かし、安定的な品質と供給を確保することで、和菓子文化の継承と発展を目指します。
地域経済への貢献
株式会社地域共創基盤の代表取締役CEO中嶋智氏は、取引先の皆さんや顧客の期待に応えるために、地域経済への貢献を続けていくと語っています。和菓子製造業界は多くの小規模事業者で構成されていますが、それぞれが持つ強みを結集することで、競争力のあるグループを形成し、未来を見据えた成長を実現していく考えです。
このように、地域共創基盤の取り組みは、和菓子業界の支援にとどまらず、地域経済の活性化にも寄与することが期待されています。是非、彼らの今後の活動を見守りたいと思います。
会社情報
- 会社名
-
株式会社地域共創基盤
- 住所
- 東京都渋谷区桜丘町31-14Slack Shibuya 601
- 電話番号
-
03-6327-8654