マワレ:薬局業界に革新をもたらす越境学習プログラム
2023年に始まった「マワレ」という取り組みは、薬局業界に新たな風を吹き込んでいます。このプログラムは、全国の薬局が協力し、社員を他社に出向させることを通じて実務経験を積むもので、これまでの研修形態にない新しい視点の学習が広がりを見せています。最近では、参画企業が5社から9社に増え、その意義と影響を深く掘り下げてみましょう。
1. マワレとは何か?
「マワレ」は、薬局の業務提携を基にした越境学習プログラムで、自社の社員を在籍のまま他社に出向させて実践的な経験を提供するものです。2023年1月には、メタルファーマシー、さど調剤グループ、会喜地域薬局グループの三社が協働を開始しました。その後、2社を追加して5社で運営してきましたが、最近新たに4社(ぐんも薬局、さんさん薬局、中央薬局、なかいまち薬局)が加わり、計9社となりました。
2. 新たなフェーズへ
薬局業界は、転職せずとも外部の経験を得ることが可能で、これによって社員の成長だけでなく、企業間の共学や共創が促進される「共育システム」として注目を集めています。「Maware」は、以前から参加していた企業に加え、新たな仲間が増えることで、さらなる実践の幅が広がることに期待されています。
3. 学びの深さと広がり
「マワレ」では単なる出向を超えて、実務経験の共有が行われます。具体的には、社員が出向する期間中に、出向先企業と出向元企業のコーディネーターが双方の要望や課題をヒアリングし、出向の目的を明確にします。このプロセスを通じて、社員は他の地域での生活や業務を体験し、多様な視点を身に付けることができます。
さらに、参加企業間での日常的なオンライン交流が行われ、情報やノウハウの共有が促進されています。Slackなどのツールを利用したこの取り組みは、効率的なコミュニケーションと相互成長を実現しています。
4. 成果報告会「マワレフェス」
「マワレ」の重要なイベントとして、成果報告会である「マワレフェス」が開催されています。この場では実際に出向した社員が体験を発表し、企業間の交流を促すことが目的です。また、参加する薬学生や薬剤師とのネットワーク形成にも寄与しています。
5. 未来の展望
今後、さらなる企業の参加を促し、新たな在籍型出向を行う予定です。2025年には新たな「マワレフェス」が実施される予定で、独自の研修会や学会発表を行う構想もあり、共有の知識を深めながら、薬局業界全体の成長に寄与する時代に突入することが予測されています。
6. まとめ
「マワレ」はただの研修プログラムではなく、薬局業界全体の新たな成長の形を示しています。参画企業の連携が深まることで、業界内の人材育成や相互成長が加速し、これからの薬局の在り方にも影響を与えることになるでしょう。今後の展開に大いに期待が寄せられています。