地球環境に寄与する新たな技術「200kVA大容量SiCインバータ」の全貌

近年、地球温暖化や脱炭素社会の実現に向けた取り組みが進む中、内燃機関から電気自動車（EV）を主体とした電動モビリティへの移行が世界各国で加速しています。この流れに応じて、パワーエレクトロニクス技術の革新も求められ、ヘッドスプリング株式会社は新製品「200kVA大容量SiCインバータ」を発表しました。

地球温暖化対策としての電動化

従来型モビリティから電動モビリティへのスムーズな移行には、ハイブリッド車や燃料電池車などさまざまなアプローチが必要です。電動モビリティの普及が進む中、駆動システムの電動モーターには、大容量化と小型化の両立が求められています。そのため、SiC（炭化ケイ素）パワーデバイスを利用したインバータ技術が注目されています。この技術は、従来のシリコンデバイスに比べて高い耐圧性能や低損失性能を持ち、インバータの効率を大幅に向上させることが可能です。

新製品の特長

ヘッドスプリングが新たにリリースした「200kVA大容量SiCインバータ」には、次のような特長があります：

- 高電圧対応と高効率

最新世代のSiCパワーデバイスを採用し、最大DC800Vの高電圧に対応可能です。従来のシリコンデバイスを用いたインバータに比べて、エネルギー効率が高く、モータシステムの省エネルギー性を実現します。

- 超高速回転と高度な制御

インバータは、5万rpmの超高速回転にも対応しています。さらに、FPGAを使った高速制御技術によって、次世代のモータ駆動システムの開発が可能になります。

- 柔軟なソフトウェア対応

ヘッドスプリングは、独自の『モータ駆動用アプリ』を提供し、SiCインバータの性能を最大限引き出す手助けをしています。また、組込制御ソフトウェア開発キット『HSDT-KIT-B』を使用すれば、お客様の独自制御ソフトウェアをインバータに直接書き込むことができます。

- エネルギー効率向上

双方向直流電源『biATLAS』と連携し、高度なEVモータ評価環境を構築可能です。このシステムは評価環境全体のエネルギー再利用を促進し、より効率的な運用を実現します。

今後の展望

「200kVA大容量SiCインバータ」は、EVモータだけでなく、さまざまな電動化分野での課題にも対応できる汎用性の高い製品です。ヘッドスプリングは今後も高性能でエネルギー効率に優れた製品を開発し、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。また、2025年の「オートモーティブワールド」にも出展し、新たな技術情報をご提供する予定です。

お問い合せはヘッドスプリング株式会社広報部までどうぞ。詳細な製品情報や資料の入手は公式ウェブサイトやお電話でて確認いただけます。