運動会の徒競走、教職員の実態と意見を徹底解剖!
近年、運動会や体育祭における徒競走の扱いが注目されている。特に「順位を付けない徒競走」という考えが議論を呼び、賛否が分かれている。では、実際にどれほどの学校がこの形態を取り入れているのか、そしてその背景にはどのような意見があるのだろうか?
アンケート結果の概要
2025年6月から7月にかけて行われた全国の教職員を対象とするアンケート調査では、小学校から高校までの児童生徒が通う学校の教職員37名が参加した。質問内容は、徒競走の実施状況、順位の付け方、さらにはその意義まで多岐にわたった。
Q1: あなたの学校の運動会・体育祭では徒競走を実施していますか?
小学校の94%が徒競走を行っていると回答したのに対し、中学校は56%、高校は50%と、年齢が上がるにつれて実施率が低下する傾向が見られた。また、地域によっても差があり、関東地方では徒競走を実施している割合が62%にとどまった。
Q2: その競技では順位と得点を付けていますか?
徒競走を実施していると答えた教員の中で、中学校と高校は100%が順位と得点を付けると回答した。一方、小学校では64%が得点を付けているとし、14%が順位はつけるが得点はつけないと回答した。
Q3: あなたの学校では徒競走に類似した競技を行っていますか?
徒競走を実施していない学校では、個人単位で走る競技は行っていないとする回答が多かったが、特に中学校や高校では代替競技の導入が見られた。例えばクラス単位でのリレー競技などがその一例である。
教員からの意見を紹介
アンケートの自由記述部分には、様々な考えが寄せられた。以下にいくつかの代表的な意見を紹介する。
1.
必要ない/縮小・選択制にすべき
「徒競走は勝ち負けがハッキリしすぎているので、全員が参加しなければならないという形はつらい。運動会は選択制にするべき。」
2.
続けるべき/意義がある
「順位をつけないと、何のために体育大会をやっているのかわからない。順位は決して優劣をつけるものではない。」
3.
折衷案/工夫が必要
「順位をつけることで他人と比べるのではなく、自分のタイムを伸ばすことに意義があると思う。」
4.
実施は肯定するが課題・懸念あり
「徒競走があることで生徒に緊張を強いる部分もあり、できるだけ不安を和らげるように配慮が必要だと思います。」
まとめ
今回の調査から、徒競走に対する意見は多岐にわたり、特に学校の種類によってその傾向が大きく異なることが浮き彫りとなった。小学校では実施率が非常に高くとも、順位や得点付けには様々な工夫が必要とされている。中学校や高校では、実施自体が減少し、競技内容の工夫が求められている。これらの実態は、ただの運動能力の競争でないことを示し、教育理念や学校文化を映し出す重要な鏡とも言えるだろう。今後もこの問題は進化し続けるだろう。
詳しい回答内容やデータは、特定非営利活動法人School Voice Projectのウェブサイト「メガホン」にて公開されています。