鳥取の森林クレジットが未来のカーボンニュートラルに貢献する契約が成立

鳥取県の森林クレジット契約締結の意義

2024年6月28日、株式会社バイウィルと鳥取県中部森林組合の間で、J-クレジット創出に向けた契約が締結されました。この取り組みは、全国的にカーボンニュートラルを実現するための重要なステップであり、森の管理を通じて環境保護と経済活動を両立させるものです。

カーボンオフセットとJ-クレジットの役割

カーボンニュートラル達成の手段として注目されるカーボンオフセットは、企業が自ら削減しきれない温室効果ガス排出を補う手法です。J-クレジットはその一環で、環境保護活動を通じて得られたCO2排出削減分を「クレジット」として国に認証され、他の企業が購入可能です。この仕組みにより、企業は自身の排出量をオフセットすることができ、持続可能な社会の実現に寄与すると期待されています。

バイウィルは、J-クレジットの創出手続きや申請、販売先の探索を代行することで、森林管理を効率化し、地域の環境価値を高める役割を果たしています。今回の契約は、鳥取銀行の紹介に基づくもので、地域のパートナーシップの強化を示しています。

鳥取県中部森林組合の取り組み

鳥取県中部森林組合は、2011年にSGEC森林認証を取得しており、持続可能な森林経営を目指しています。森林管理にあたっては、「植える・育てる・伐る・使う」という循環を重視し、地域の生態系と調和した活動を推進しています。この取り組みにより、自然資源の保全と地域の活性化を図っています。

再生可能エネルギーの活用や森林教育、SDGsへの関与など、多様な環境保護活動を行っている他、2022年からは地元企業に向けたJ-クレジットの提供も行っています。今後は、管理する森林全体でのJ-クレジット創出の拡大を目指します。

今後の展望

バイウィルと鳥取県中部森林組合の連携によって、2024年度中に13,056t-CO2のCO2吸収量を見込むプロジェクトが進行中です。J-クレジットとして認証を受けることで、この吸収量が市場で取引され、カーボンオフセットの手法が活用されることから、地域のカーボンニュートラル実現に寄与することが期待されています。

加藤栄隆理事組合長は「このJ-クレジットの販上を基に森林整備を進め、気候変動への対応を強化していきたい」とコメントしました。地域の人々と連携し、持続可能な社会の実現に向けて具体的な行動が期待される成果となるでしょう。