木造住宅の新たな可能性を示したAQ Groupの耐火実験
埼玉県さいたま市に本社を置くAQ Groupが、木造住宅の耐火性能を検証する実証実験を行った。この実験は同社の木造建築技術研究所(上尾市)で実施され、特に注目されるのは、オリジナル技術「AQダイナミック構法」によって建設された住宅が火災に耐える能力を示した点だ。実験では、火災を発生させ、実際に20分間の耐火性能を確認した。この結果、従来の「木造住宅=火に弱い」というイメージを覆すことに成功した。
実験の詳細と発表された結果
実験は、まずAQダイナミック構法による木造住宅の一室を試験体として設定し、火災を意図的に発生させた。全国平均で消防車が到着するまでの時間が約10分であることを考慮し、20分間の火災の中でも延焼の兆候は見られず、室内は小火に留まることが確認された。室内温度は13分経過後に300℃に達したが、木造の柱や梁に引火することはなかったことが注目された。結果的に、延焼は認められず、構造体は煤で汚れた程度だった。
この実験により、AQ Groupは木造住宅の高耐炎性能に関する信頼性を高め、木造住宅が火災に強いことを実証した。
専門家の評価と考察
こうした耐火実験には、木造建築防耐火研究の第一人者である安井昇氏も立ち会い、「火災の発生を一箇所に留めることがいかに大切かを再確認した」と語る。その中で、AQ Groupが行った実験は、省令準耐火構造に関する知識がしっかりと実践されていることを示していると高く評価されている。
安井氏は要点を述べながら「特にAQ Groupの研究者たちは、実験の結果を踏まえて自社の技術をより深く理解している。これは、今後の木造住宅の発展につながるであろう貴重なデータである」と強調した。
木造住宅に対する新たなイメージ
2024年の火事発生件数が約37,000件になる見込みであり、火災は私たちの日常生活において最も身近な危険といえる。その中で、木造住宅に対する一般的な認識が「火に弱い」というものが多い。しかし、この実験結果は、AQダイナミック構法による木造住宅が火災に対しても強いことを実証し、住宅の安全性を向上させる重要な一歩となった。
入念な準備のもと、研究者とともに進められてきたそのプロセスを経て、AQ Groupは、より安心で安全な木造住宅を提供することに全力を注いでいく。特に冬場の乾燥した時期や強風の影響を受ける地域では、木造住宅がどのように火災に強いかを説明することが重要である。
「AQダイナミック構法」による新しい木造住宅は、これからの時代における安全な住まいの新たな基準となるだろう。実験結果に見られるように、木造住宅も火災に対して強さを持つことが証明された今、AQ Groupはその実績をもとにさらなる発展を目指していく。