京都発ベンチャー、マイクロニードル市場を切り開く
11月12日、コスメディ製薬株式会社は「マイクロニードル化粧品の日」を制定しました。この日は、2008年に世界初の「マイクロニードル化粧品」が上市された記念日です。これをきっかけに、今後の新たな市場の広がりや、同社がいかに技術革新を進めてきたのかを見ていきます。
マイクロニードルの可能性
一般的には、美容注射や皮膚に直接成分を注入する施術が主流ですが、コスメディ製薬はこれに代わる新たな方法を模索しました。その結果誕生したのが、皮膚に優しく、自己回収できる「溶解型マイクロニードル」です。この技術は、ヒアルロン酸等の成分をニードルにして、皮膚内に直接溶解させるものです。
この「溶解型マイクロニードル」は、従来の金属製やシリコン製のニードルよりも安全で、痛みや出血のリスクを大幅に軽減。加えて、2008年に医療技術が美容領域に応用されたことで、自己ケアができるという新たな選択肢を提供しました。
新市場の創出
このイノベーションは、従来にはなかった「マイクロニードル化粧品」という新しいカテゴリーを生み出しました。2025年までには、マイクロニードルを使用した化粧品市場が380億円まで成長することが見込まれています。これは24年比で25.8%の増加を示しており、今後のさらなる拡大が期待されています。
デザインと安全性
また、マイクロニードルには「富士山ニードル」という画期的なデザインも存在します。この形式は、針の端が皮膚の角質層に留まり、有効成分を確実に届けることができるよう工夫されています。2023年にはこの創造性が評価され、iFデザインアワードを受賞しました。
社会的評価と期待
これまでの取り組みが評価され、コスメディ製薬はForbes JAPANの「スモール・ジャイアンツ アワード」でゲームチェンジャー賞を受賞。さらに、発明大賞では「発明功労賞」を獲得するなど、業界内外からの期待が高まっています。
未来への展望
コスメディ製薬は、さらなる研究開発を行い、マイクロニードル技術の深化を目指しています。例えば、タウリンを結晶化した新しいニードルや、医療領域での利用の可能性も模索中です。
最終的には、マイクロニードル技術を通じて社会の課題解決に貢献し続けることが同社のビジョンです。
「マイクロニードル化粧品の日」を通じて、その取り組みの成果を広く知ってもらい、未来の美容市場をより明るく展望していきたいという思いを持っています。