超高齢化社会における薬と健康食品の新たな関係
日本は超高齢化社会に突入しており、65歳以上の高齢者が持つ健康への関心は高まっています。特に、薬の服用については重要な関心事となっており、薬剤の管理はこれまで以上に厳密に行われる必要があります。そこで注目されるのが、株式会社山田養蜂場の取り組みです。
高齢者の服薬実態
総務省の調査によると、2024年には65歳以上が全人口の29.3%を占める見込みで、これに伴い高齢者の服薬率も高まっています。高齢者が慢性疾患を抱える割合が増加する中、服用する薬の種類や量も増加し、服薬管理の重要性が浮き彫りになってきました。これは特に複数の薬を同時に服用する場合において、飲み合わせの問題などが深刻化する可能性を孕んでいます。
健康食品の利用増加
健康意識の高まりとともに、日本では機能性表示食品制度が2015年に始まり、より多くの高齢者が健康食品を利用するようになっています。国民生活基礎調査によれば、60-69歳の男性は28.1%、女性は35.1%が健康食品を利用しているというデータも存在します。これが薬との飲み合わせリスクを高める一因とも言えるでしょう。
データベースの構築とサービス提供
山田養蜂場は、約30,000件の医薬品に対応し、さらに10,000件を超える健康食品素材に関するデータベースを構築しています。これによって、薬と健康食品が互いにどのような影響を及ぼすかを判定するサービスを提供中です。特に、ミツバチを使った製品をベースにしながら、他社製品の健康食品までカバーすることで、多角的な飲み合わせ情報を提供しています。
2011年には電話対応サービスを開始し、2014年にはウェブ上で簡易に飲み合わせを判定できるシステムを導入しました。現在までに、約14年間で80,000件以上の問い合わせに対応してきた実績があります。
一般消費者の意識調査
この活動を進める中、山田養蜂場は2017年に消費者へのアンケート調査を実施しました。その結果、なんと84.8%の人々が薬と健康食品の飲み合わせについて心配していないと回答。しかも55.2%の人が「よくわからないが心配していない」と答えていることが分かりました。一方、健康食品会社が提供する飲み合わせ情報サービスを受けたいと答えたのは64.9%。このことから、消費者への教育と意識の向上が急務であることが明らかになりました。
医療従事者との連携
シンポジウムでは、山田養蜂場の生田智樹主幹研究員が、薬剤師や薬学研究者らとともにこのデータベースの重要性や展望について議論を深めました。消費者に安心して健康食品を利用してもらうためには、医療従事者との連携が欠かせません。
このシンポジウムを通じて、多くの質問や意見が寄せられたことにより、企業の役割が一層明確になりました。今後は、データベースの常に最新の情報への更新や、医療従事者との協力を強化することが求められています。
まとめ
山田養蜂場は、超高齢化社会の中で重要な役割を果たすことを目指しており、今後も消費者の健康寿命の延伸のために努力を続けていきます。予防医学の立場からも、より良い健康管理の実現へ向けた貢献をし続けることでしょう。