新たな試み:廃プラスチックのマテリアルリサイクル
近年、環境問題への関心が高まる中、プラスチック廃棄物のリサイクルは重要なテーマとなっています。その中で、城東リプロン株式会社と清水建設株式会社が手を組み、建設現場から発生する廃プラスチックを再利用する新たな取り組みを開始しました。
取り組みの背景
日本国内では、プラスチック素材のリサイクルが進められていますが、その中で特に困難が伴うのが消費者が使い終わった後の廃プラスチックの再利用です。汚れや異物が多く入っているため、品質が安定せず、リサイクル材としての活用が難しいのです。一方で、樹脂製品の製造過程で生じる廃棄物は、比較的安定した品質を持つため、マテリアルリサイクルが進んでいます。
城東リプロンは1988年以来、プラスチックのマテリアルリサイクルに注力してきました。特に、従業員が誇りに思えるような環境保全の取り組みが各所から評価され、経済産業大臣賞を受賞しています。
清水建設とのコラボレーション
清水建設の建設現場で、回収された廃プラスチックをプラスチック製雨水貯留槽「ハイドロスタッフ」としてマテリアルリサイクルする方向で動き始めます。この方法では、地中に埋められた後も数十年の長期間にわたり使用され、結果として廃プラスチックを安定的に固定できます。これにより、環境への影響を大幅に軽減することが出来るのです。
廃プラスチックの加工プロセス
城東リプロンは、原料調達から材料設計、コンパウンド化、射出成型、組み立てまでを一貫して自社で行っています。これにより、清水建設の現場で高度に分別された廃プラスチックを活用し、マテリアルリサイクルを実現するための設計と試作が行われます。具体的には、廃プラスチックが再資源化事業者によって材料化され、さらに厳密な配合設計が行われた後、雨水貯留槽としての実用化が進むのです。
環境への貢献
このプロジェクトによって、ひとつの建設現場では数トンから数十トンの廃プラスチックを利用することができるため、リサイクルの範囲が大幅に広がります。廃プラスチックが長期間使用されることにより、消耗財とは異なる形で、環境への貢献度も高まります。
未来への展望
今後も、これらの取り組みを基盤に、雨水貯留槽への利用をさらに拡大していくとともに、新しい材料開発や製品展開を進め、建設現場由来の廃プラスチックの利用を促進する計画です。資源循環社会の実現に向けて、城東リプロンと清水建設は不断の努力を重ねていくでしょう。
公式サイト: 城東リプロン
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