障がい者の自立を地域で支える新たな拠点
2025年6月5日、茨城県取手市に新しい障がい者支援の拠点がオープンしました。この拠点は、親が亡くなった後の生活に対する不安に直面する保護者たちの声に応えるべく設立され、障がい者の生活支援や就労支援を行うKINOPPI株式会社の取り組みの一環です。親なきあと、どのように自立した生活を送るのか。そんな問いに対して、明確な答えを提供するための場所となっています。
特に注目されるのは、こちらの拠点で開かれる「お金の相談窓口」です。障がい者の将来設計や物件選び、後見制度や信託、さらには相続に関する相談も受け付けており、生活の不安を一手に解消する役割を果たします。事務局長である柳澤裕香氏は、「制度はあるものの、どこに相談して良いか分からないという声を大変多く耳にします」と語ります。
この新しい拠点は、サポート協会とともに、行政や福祉、医療との連携を強化し、「障がい者向け相談支援センター」も開設しています。ここでは、福祉サービスの利用計画を作成し、地域との連携をサポートします。障がい者本人とその家族が必要なサービスをしっかりと受けられるようなネットワークの構築が、中長期的な生活の安定につながります。
KINOPPI株式会社は、それまでにも「キノッピの家」や「KINOPPI CAFE」といった障がい者の住まいや就労の場を提供してきました。この新たな支援拠点の設立は、親の元気な時から将来に備えるための「お金・住まい・後見・暮らし」の4つの視点を統合した相談が必要であると感じたことから生まれました。京林代表は、「全国に広がる相談のハブを作りたい」と力強く述べています。
本拠点の相談窓口では、電話やメールでの相談が随時受け付けており、対面相談については事前に連絡をして日程調整を行います。これにより、家族は安心して将来を見据えた準備ができる環境が整い、地域での自立した生活を実現することに繋がります。
ご相談窓口概要
内容:将来設計、任意後見、家族信託、住まいの相談など
受付電話:050-1724-3461(9:00-17:00)
メール:
[email protected]
運営:一般社団法人 親なきあとのサポート協会
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内容:福祉サービス利用計画作成、地域連携支援、モニタリングなど
受付電話:050-8892-2940(9:00-17:00)
メール:
[email protected]
運営:KINOPPI株式会社
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この取り組みを通じて、将来に不安を抱える親たちが安心して生活できる街、また障がい者が自立した生活を送ることができる社会の実現を目指しています。若手から高齢者までの地域住民が共に暮らせる環境を提供し、地域全体の福祉を向上させていく努力こそが、真の自立支援につながるのではないでしょうか。