AIを活用した現場監督業務の効率化と品質向上を目指す大東建託の最新構想

大東建託の「AI現場監督構想」とは

大東建託株式会社は、東京都港区に本社を置く建設業界のリーダー企業です。このたび、同社は人工知能（AI）を活用した現場監督業務の支援を目的に「AI現場監督構想」を策定し、その具体的な開発に乗り出すことを発表しました。この取り組みは、昨今の現場監督の高齢化や資格保持者の減少に伴う建設業界の問題に対処するためのものです。

現場監督の重要性と課題

現場監督は、建設プロジェクトにおいて極めて重要な役割を担っています。彼らは工程策定、予算管理、品質管理、安全管理と多岐にわたる業務をこなし、施工の各段階での検査や監視を行います。しかし、最近では資格を持つ監督者の数が減少しており、特に1級建築施工管理技士などの資格を持つ人材が高齢化しているという現状があります。このままでは、効率的な人材運営や業務の円滑な遂行が厳しくなるのも懸念されています。

AI技術による業務支援

大東建託では、全国に約2,000の施工現場があり、資格保持者が複数の現場を管理する役割を果たしています。そこで導入が決定した「AI現場監督構想」は、これまでの業務ノウハウや協力会社のデータを活用し、より効率的な管理を目指しています。

特に注目されるのが、工程内検査の際に発生する大量の写真の処理業務です。通常、現場監督は約260の検査項目に対して、写真を収集し振り分ける作業に多くの時間を費やしてきました。この工程は非常に煩雑でミスが起こるリスクも高まりますが、AIの導入によって、これらの検査写真を自動的に分類・登録するシステムが開発される予定です。

業務効率の大幅な向上

このAI自動分類システムが導入されることで、現場監督が抱える業務の約50%が削減される見込みです。これにより、現場監督はより重要な業務に集中でき、高品質な施工の実現にもつながると期待されています。また、エラーの発生も少なくなるため、品質管理が一段と強化されることでしょう。

今後の展望

大東建託は、AIを活用した営業支援システム「AI課長」の開発も行っており、今後ますますAI技術の導入を進める姿勢を見せています。2028年までに現場監督一人あたりの業務効率を20%向上させることを目指しており、今後の進展が注目されます。これにより、現場の安全性や品質も同時に向上することが期待されています。業界全体が抱える人手不足の問題に対して、大東建託の取り組みは一つの解決策となるかもしれません。

このように、大東建託の「AI現場監督構想」は、建設業における革命的な変化をもたらす可能性を秘めていると言えるでしょう。今後の進展が楽しみです。

会社情報