会津若松市での新たな高齢者見守りサービス
福島県会津若松市では、2024年12月2日から高齢者見守りサービスの実証が開始されます。これは、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)がアイラ株式会社、日本郵便株式会社、株式会社LIMNOと連携して実施するものです。この取り組みでは、『脳の健康チェック』と呼ばれるサービスが導入され、高齢者の認知機能の維持と向上を目指します。
実証概要
この実証は、会津若松市の中山間地域で行われ、2つの地区(湊地区と大戸地区)で先行導入された「ささえiコミュニティ(R)」サービスを基盤とします。このサービスは地域の住民の生活状況を確認し、地域全体での見守り体制を整えるものです。また、日本郵便が提供する見守りアプリケーションを活用し、住民の生活状態のチェックも行います。NTT Comは、電話一本で脳の健康状態を把握するサービスを提供します。
具体的な取り組み
本実証では、住民の脳の健康状態を定期的にチェックし、異常があれば自治体や地域運営組織、福祉関係者と連携して対応します。具体的には、高齢者向けの専用端末を利用し、住民に週に1回の頻度で『脳の健康チェック』の実施を促します。この活動が定期的に行われることで、認知機能の低下を早期に把握し、必要な支援を行うことが可能になります。さらに、新たに導入される10インチ端末にはNFCカードリーダーが搭載され、高齢者の孤立を防ぐための利便性をを向上させます。
期待される成果
NTT Comは、脳の健康チェックの結果に基づいたログデータを活用し、認知機能に異常が見られた際には、住民への電話確認や訪問を行います。これにより、危機的な状況が発生する前に適切な対策を講じることができるようになります。さらには、地域の健康寿命を延ばす手助けをする新しい見守りサービスのモデルとなることを目指しています。
今後の展開
今回の実証が成功すれば、他の地域でもICTを活用した高齢者向けの見守りサービス展開が期待されます。身体の不調に気付きにくい脳の健康に着目することで、地域全体の健康管理を進め、高齢者が安心して生活できる社会づくりを推進していく方針です。
この取り組みは、地域における高齢者のサポート体制の強化だけでなく、高齢化社会における課題解決にも貢献することが期待されています。