能登町と兵庫県立大学が災害対応の共同研究を開始
2023年11月8日、能登町(石川県)と兵庫県立大学、さらに三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(MURC)は、能登半島地震に関連する災害対応の検証に関する共同研究を行うための協定を締結しました。この取り組みは、能登町が直面した課題の検証とその結果を地域の防災力向上に反映させることを目的としています。
背景
令和6年に発生した能登半島地震では、能登町が避難所運営や初動体制など、多くの問題に直面しました。これを受けて、町長の大森凡世氏は兵庫県立大学に助言を求め、さらにはMURCの力を借りて、問題解決に向けた研究を行うことを決定しました。
MURCは過去にも東日本大震災や熊本地震をテーマにした災害対応の実績があり、特に防災とリスクマネジメントに強みを持っています。今回の共同研究を通じて、能登町は過去の教訓を生かし、より効果的な防災策を講じることを期待しています。
研究内容
共同研究の中心となるのは、災害対応の実態を把握するための調査と情報整理です。具体的には、各種資料を整理し、職員へのアンケート調査やヒアリング調査を実施。これに基づいて得られた教訓や課題を整理し、最終的な検証報告書としてまとめ上げる予定です。
また、MURCが開発した防災アクションカードのような実践的なツールを兵庫県立大学の助言を受けた上で提案し、能登町におけるより具体的な防災措置の実施を目指します。アクションカードは、災害発生時の初動マニュアルとしてとても役立つもので、地域住民にとっても重要な資源となることでしょう。
各組織の紹介
- - 能登町: 能登町は、平成17年に能都町、柳田村、内浦町が合併して誕生し、自然環境に恵まれていて、豊かな漁業が基幹産業です。独特な祭りや伝統文化も息づいており、地域の特性を保ちながら発展を続けています。
- - 兵庫県立大学: 兵庫県立大学は県立3大学が統合して設立された大学で、地域社会に貢献する人材の育成を目指しています。特に、減災や復興に関する研究が盛んに行われており、地域の防災教育などにも力を入れています。
- - MURC: 三菱UFJフィナンシャル・グループの一員として、国や地方自治体の政策研究や民間企業向けコンサルティングを行う研究機関です。特に防災分野では、地域の強化に向けての取り組みが注目されています。
この共同研究を通じて、能登町は災害対応力を高め、地域の安全を確保するための具体的な施策を提言していくでしょう。また、全国的な防災体制の強化にも寄与することが期待されています。