スナメリの社会性
2025-10-22 15:12:12
世界初!スナメリの子どもと非親個体の遊泳行動を確認
世界初!スナメリの子どもと非親個体の遊泳行動を確認
最近、スナメリという小型のクジラの新たな社会的行動が確認されました。この研究は、三重県津市の町屋海岸で、野生のスナメリの子どもが非親個体と並んで遊泳する行動をドローンで観察したもので、今までの理解を超えるスナメリの高い社会性を示しています。
研究の背景
スナメリは日本を含む東アジア沿岸に生息し、最大体長は約2mと小型で、普段は単独で行動することが多いとされています。しかし、野生のスナメリにおける社会行動に関する研究はあまり進んでいませんでした。この研究は、これまで考えられてきたスナメリの行動パターンを新たに解明する重要な一歩となります。
調査の詳細
研究チームは、ドローンを使ってスナメリの子どもと成体の行動を観察しました。特に注目すべきは、子どものスナメリが非親の成体と交代しながら泳ぐ姿です。この行動は、アロマターナル行動と呼ばれるもので、幼い個体が自分の親以外の成体と関わることを示しています。
観察により、4つの新生仔がそれぞれ2体の成体と並んで泳いでいる事例が記録され、社会的な接触として背中や体を擦り合わせる行動や授乳が確認されました。この様子には敵対的な行動が見られないため、成体は新生仔を受容し、世話をしている可能性があります。
社会性の新たな理解
この研究結果は、スナメリが従来考えられていたよりも、はるかに高い社会性を持つ可能性を示しています。新生仔は他のハクジラ類と比較して母親から離れている時間が長いことが知られていますが、その際に非親の成体が関与することで、スナメリの社会構造がより複雑であることが示唆されます。
さらに、この行動は新生仔の社会的スキルの発達に寄与するものと考えられています。例えば、非親の成体と接することで、他の個体との関係構築を学ぶことができるでしょう。
研究の意義
この研究は、スナメリの社会行動に関する理解を深めるだけでなく、多くの動物種に共通する行動の背後にある理由を探る手助けとなります。ドローンを使った観察手法は、この先も新たな発見を促すための革新的な手段となるでしょう。
結論
野生スナメリの子どもと非親個体の遊泳行動を初めて確認したことは、スナメリの社会性に関する新たな光を当てられる大きな成果です。今後の研究がさらに進むことで、これらの動物の社会行動に関する理解が進むことが期待されます。スナメリの魅力を再発見するきっかけとなるこの研究に、今後も注目していきたいところです。
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