第一工科大学の学生が挑む航空機整備技能コンテスト
2023年11月15日、航空分野の学生たちが自らの技術を試すべく、日本航空技術協会主催の「航空機整備技能コンテスト」が東京都大田区に位置する「ANAブルーベース」で開催されました。本コンテストには、全日本空輸や日本航空、ピーチ・アビエーションなど、主要な航空会社の整備部門と、航空専門学校・大学が参加し、計6校が競い合いました。
学生参戦の背景
第一工科大学からは、航空工学部航空エンジニアリングの学生3名が昨年に引き続き参戦しました。航空技術の進化が著しい現代、整備士としての技術を磨くことは重要な課題であり、同校はその教育に力を入れています。学生たちにとって、こうしたコンテストは貴重な実践の場となります。
コンテストの内容
当日は、5種類の基本作業を課題として設定し、参加チームはそれぞれ正確さ、スピード、機具の取り扱い能力が審査されました。コンテストは現役の整備士や業界関係者も多く集まる中で行われ、参加学生は緊張した面持ちで臨みました。下級生として先輩たちに背中を押されながら、彼らは「実際の競技時間を意識して練習を重ねてきました」と述べました。
航空業界のプロから学ぶ
学生たちは、現場のプロの整備士の姿を間近で見られて大きな刺激を受けたと語ります。
「プロフェッショナルの技術は本当に高く、その姿勢を学ぶことができました。航空業界の厳しさを実感し、より一層努力しようと思いました」と参加した学生は感想を述べました。また、コンテストを通じて航空業界の裏側や安全運航を支える人々の努力を知ることができたことは、一生の宝物になったようです。
学校の取り組み
国内の主要航空会社では、整備士資格者の約40%が50歳以上とされ、10年後には大量の退職が予想されています。そうした未来を見据え、第一工科大学は、時代に即した技術者の育成に力を注いでいます。理論と実験を組み合わせ、航空業界で必要とされる専門知識と技術を徹底的に指導しています。授業には、航空整備工学やCADを利用した航空設計製図など、実践的な内容も多く含まれており、卒業生は多様な企業で活躍しています。
また、航空会社と協力した企業説明会や航空機整備の見学会を定期的に実施し、実際の現場を知る機会を提供することで、学生たちのキャリア形成を助けています。学生たちにとって、航空業界の真実に触れる貴重な経験となっているのです。
大学の概要
都築教育学園 第一工科大学は、1985年に設立され、鹿児島県霧島市と東京都台東区にキャンパスを有する私立理系大学です。航空工学部は、航空エンジニアリングだけでなく、航空操縦学専攻も設置し、航空業界に特化した教育を行っています。2021年に校名を「第一工業大学」から「第一工科大学」に変更し、さらに進化する教育体系を整えています。学生たちは、技術者としての未来を切り拓くために、この大学で新たな一歩を踏み出しています。