若吉浩二教授の受賞について
2025年10月24日から26日にかけて中京大学で開催された日本水泳水中運動学会にて、人間科学部の若吉浩二教授が名誉ある「最優秀論文発表賞」を受賞しました。今回の授賞は、彼の研究が学校における水泳教育の質向上へ貢献していることを示すものです。
受賞論文の概要
若吉教授が発表した論文のタイトルは、「ペットボトル・フラットヘルパー活用による小学校水泳授業での実践的取組~泳力の二極化問題解消に向けて~」です。本研究の目的は、彼自身が開発した水泳補助具「フラットヘルパー」を使用し、同じ授業で泳げる子どもと泳げない子どもが一緒に学べる環境を作ることにあります。
フラットヘルパーとは
フラットヘルパーは、特に泳ぎに不安を感じる小学生向けの補助具です。この器具は、ネット素材のパンツに浮力体を装着することで、子どもたちの体を水平に保つ手助けをします。ペットボトルやビート板など、身近な素材を使用できるため、経済的でありながら安全に水に親しむことを目的としています。また、教員にとっても安心して指導を行いやすい工夫がなされています。
授業の実施内容
授業では、基本的な水難事故の防止姿勢である「大の字浮き」に加え、安全に泳ぎを習得できるための方法を既定のカリキュラムに組み込みました。子どもたちに実施後のアンケートを行い、「楽しかったですか」「分かりやすかったですか」「うまく浮くことができましたか」といった質問に高い評価を得ました。
結果として、95%以上の児童が肯定的な回答をしたことは、本研究が泳力の二極化問題解決の一助となるであろうことを示すものでした。特に、水泳の経験がほとんどない、あるいは全く泳げない子どもたちが積極的に評価した点が印象的です。このことから、フラットヘルパーを活用した授業の有効性が確認されました。
教授の感謝と今後の展望
若吉教授は、授賞に際し「本研究は科学研究費及び本学の教育改革支援研究費からの助成を受けております。この場を借りて感謝申し上げます」と述べました。教育現場での水泳指導は、全国で重要な課題とされており、研究が実践に活かされることは学校の安全な水泳教育を実現するために必要不可欠です。
若吉教授の研究は、全ての子どもたちが安全で豊かな水泳体験を持つことがどれほど大切かを再確認させるものであり、今後の教育現場においても大きな影響力を持ち続けることでしょう。授賞経験を活かし、新たなアプローチが全国に広がることを期待しています。