COVID-19診断技術の新たな展開
株式会社プロジェニサイトジャパンは、近年のCOVID-19感染拡大を受け、診断技術の改革を目指して新たな事業を立ち上げました。この神戸に本社を持つベンチャー企業は、アメリカ・セントラルフロリダ大学医学部と工学部が共同開発した革新的な医療技術に基づき、ネットワーク接続可能な小型高速PCR装置およびワンステップ核酸抽出キットの製作を進めています。
高速PCR装置の特長
新たに開発されたPCR装置は、3Dプリンターを使用して製作されており、従来のリアルタイムPCR機器と比較して低コストで提供されることに加え、その性能も同等以上とされています。この装置は、テスト結果を従来1〜2時間かかるところを、10〜20分で完了できるとされている点が特に注目を集めています。
さらには、ネットワーク接続の機能により、主治医や患者のスマートフォンなど、あらゆる端末に迅速に結果を通知することが可能です。これにより、医療現場での迅速な対応が期待でき、感染症の進行を抑えるための重要な役割を果たすことができます。
時間短縮を実現するワンステップ核酸抽出キット
ワンステップ核酸抽出キットは、特許申請中で詳細は公開されていませんが、検体からの核酸抽出を1つのディスポの注射筒を使って行うことが特徴です。従来の30~60分かかる操作が、なんと約2分で終わるため、効率的です。これにより、作業時間の短縮だけでなく、人為的ミスや汚染のリスクも大幅に低減されています。
さらに、採取方法も進化しています。従来の鼻咽頭拭い液に代わり、唾液を用いることで、より快適に検査が行えます。これにより、患者の負担が軽減され、検査がより広範囲に実施されることが期待されます。
さまざまな団体との協力を期待
プロジェニサイトジャパンは、まだスタートしたばかりの企業ですが、すでにその技術に対する関心を呼び起こしています。共同開発や支援に興味を持つ地方自治体や企業からの問い合わせも歓迎しています。
代表取締役の徐綾氏は「私たちの技術や知財を活用して、1日でも早く日常を取り戻せるお手伝いをできればと願っています」と語っています。
このような革新的な技術の進展は、今後の医療現場において大きな影響を与えるでしょう。感染症との闘いを支えるために、神戸から新たな流れが生まれています。
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