新生児治療の変化
2020-11-27 11:00:45

新型コロナ時代における新生児集中治療の減少に迫る研究成果

新型コロナ影響下での新生児医療



新型コロナウイルス(COVID-19)の影響が広がる中、医療現場では多くの変化が見られました。その中でも特に注目されるのが、新生児集中治療の件数の減少という現象です。これに関する最新の研究結果が、英小児科学会誌オンライン版に発表されました。

その研究を主導したのは東京大学の宮脇助教で、彼は新生児医療の現場での貴重なデータをもとに、COVID-19がどのように新生児の健康に影響を与えたかを分析しました。特に、デンマークやアイルランドで報告されている早産や低出生体重児の減少に関心を持ち、これは日本でもどうか検討することを目的としました。

研究の背景と目的



COVID-19の先行研究では、ロックダウンの影響で妊婦のストレスが増し、周産期疾病や新生児集中治療が増加すると懸念されていました。しかし、実際には極低出生体重児の減少が報告され、その理由を探ることが重要になったのです。

この研究は、全国186のDPC病院から取得した診療データを使用し、2020年の第2から9週、そして第10から17週のNICU(新生児特定集中治療室)およびGCU(回復治療室)での入室日数を比較しました。特にCOVID-19流行の初期における新生児医療の様子を明らかにすることが目指されました。

研究結果



その結果、NICUの入室日数は、2020年第2〜9週から第10〜17週にかけて24%減少したことが判明しました(95%信頼区間、11%-35%)。また、GCUの入室日数も29%減少しました(95%信頼区間、25%-34%)。

さらに、早産に関しても、妊娠34週未満のケースが29%(95%信頼区間、0%-50%)、34-37週のケースでは15%(95%信頼区間、2-26%)減少したと報告されています。これらのデータは、新生児集中治療を必要とする新生児の数が減少した可能性を示唆しています。

宮脇助教は「今後、この減少の背景にある要因をさらに探求する必要があります」と強調しました。新たな知見がどのように今後の医療政策や臨床現場に影響を与えるのか、注目が集まります。

データの重要性



研究に用いられたデータは、医事会計に利用されるDPCデータであり、医学研究ではその背景をきちんと理解することが不可欠です。臨床家や疫学者と連携して、医療現場から得られる大規模データを有効に活用し、より良い医療の実現に寄与していくことが今後の課題です。

新型コロナウイルスの場合、さまざまな制約や不確実性がある中でも、最大限にデータを活用し、医学的エビデンスを構築していくことが求められています。

このような研究は、新生児医療の今後の方針を考える上でも非常に重要であり、引き続き注目されることでしょう。今後の研究に期待が寄せられます。

会社情報

会社名
株式会社データック
住所
東京都千代田区飯田橋1丁目8-9-707
電話番号

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