ADEKA、次世代EUVリソグラフィ用プラントを新設
株式会社ADEKA(城詰秀尊社長)は、茨城県神栖市に位置する鹿島化学品工場にて、次世代EUVリソグラフィ(高NA EUV)用のMOR(Metal Oxide Resist)に特化した金属化合物の製造プラントを建設することを発表しました。この新しいプラントの建設は、2066年4月に着工し、2028年4月の営業運転開始を予定しており、総投資額は32億円とされています。
背景と意義
近年のICT社会では、高性能な半導体の需要が急増しており、特に情報処理の高速化とエネルギー効率の向上が求められる中、半導体の微細化が進んでいます。その中で、ADEKAは、シリコンウエハ上にフォトレジストを塗布して形成する回路パターンのリソグラフィ工程において、次世代技術であるEUV露光装置の採用が進むと予想しています。
この流れに伴い、既存の化学増幅型レジスト(CAR)に新しいMORの材料を併用することでさらなる性能向上が求められます。ADEKAの新プラントで製造される金属化合物は、EUVの吸収率やエッチング耐性を高める、次世代半導体技術にとって不可欠な要素となることが期待されています。
新プラントの特徴
新しいMOR用プラントでは、将来的な需要の増加に備えた生産体制を整える予定です。すでに鹿島化学品工場内では、金属化合物の生産が始まっており、この新施設を通じて、更なる技術革新に向けた新規材料の開発も視野に入れています。
さらに、ADEKAグループは先端半導体メモリ向けの高誘電材料や、光酸発生剤の開発にも力を入れており、業界内での優位性を確立しています。2026年には新しい研究棟も完成予定で、これにより更なる研究開発体制の強化を図ります。
ADEKAの今後の展望
ADEKAは、半導体リソグラフィ分野における材料供給でのリーダーシップを強化すべく、高NA EUV露光やMOR用材料でのシェア拡大を目指しています。企業の中期経営計画『ADX 2026』では、2026年度の営業利益KPIを125億円に設定しており、業績のさらなる向上を図っています。
まとめ
このように、ADEKAの新しいプラントは、技術革新と業界の未来を支える重要な基盤となることでしょう。半導体リソグラフィ向け材料の領域での ADEKAの挑戦と情熱が、今後のICT社会の進化を引っ張っていくことに期待が寄せられています。新プラントの活躍に注目し、その発展を見守りたいと思います。