能登半島地震からの復興を願う声
2023年に発生した能登半島地震から半年が経ち、この地域の子どもたちが抱く思いや希望についての調査結果が公開されました。公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが実施したこのアンケートは、石川県の五つの市町に在住する小学4年生から高校生までの2053人を対象に行われました。調査は、国や自治体、地域の大人たちへのメッセージとして、子どもたちの声を集めることを目的としています。
子どもたちの想い
この調査の結果、子どもたちの中で「見捨てないでほしい」との願いや「自分たちの想いが全国に届いてほしい」といった声が多く寄せられました。復興に向け「何かできることはありませんか?」と感じる子どもたちは64%にのぼります。この調査を通じて、彼らの希望や悩みを知ることができました。
伝えたいこと
アンケート結果によると、地震やその後の生活について大人や社会に伝えたいことがあると答えた子どもは36.8%でした。多くの子どもが「地震が起きたときのこと」や「自分の住むまちの復興のこと」を話したいと感じている中、何を話せばよいのかわからないという意見も目立ちました。特に「何を話したら良いかわからない」と回答した子どもたちは36.7%に達し、彼らが何かを伝えたいと思いながらも、それを実行するための環境が整っていないことが伺えます。
復興活動への意欲
興味深いのは、復興へ向けて何かをしたいと考える子どもたちの数が多いことです。6割以上の子どもたちは、復興に向けてアクションを起こしたいと考えており、その中には大人や社会に自分たちの意見を伝えたいと願っている子どもたちも含まれています。これに対して大人たちが耳を傾け、支援の場を提供することが求められます。
自由記述からの提案
さらに、自由記述の中からは学びや生活に対する制約に対する苛立ちや、復興が進まないことへの疑問や切実な訴えなども見受けられました。「能登を見捨てないでほしい」というメッセージは、特に心に響くものでした。
子どもたちからは「直接大人たちと話し合いたい」という意見もあり、彼らの権利を尊重することの重要性が浮かび上がります。これは、今後の復興や防災において、子どもたちが主体的に関わるための良い機会となるでしょう。
次のステップ
セーブ・ザ・チルドレンは、この調査結果をもとに国や自治体への提言を行い、子どもたちの意見を取り入れた復興・防災計画の推進を求めていきます。アンケート結果は、今後より多くの子どもたちに向けた報告書としてまとめられる予定です。
このように、能登半島地震からの復興は子どもたち自身の手で進められるものではありますが、その声を大人がしっかりと受け止め、支えることで未来が開かれることでしょう。