アンリツが5G NR NTN端末評価に向けた新機能を発表
アンリツ株式会社(社長:濱田宏一)は、最近、衛星を通じて通信ができる非地上系ネットワーク(NTN)向けの5G NR NTN端末の評価機能を充実させたことを発表しました。特に、同社のスマートフォン用測定器「MT8000A」に新たな機能が追加され、これまでの無線通信技術をより進化させることが期待されています。
NTN技術の重要性
NTN技術は、山間部や離島、災害発生地域など、従来のネットワーク環境では通信が難しい地点でも利用可能な技術として、業界の注目を集めています。近年、通信環境の向上が求められる中、5GにおけるNTNの導入は、より多くの地域で安定した通信を実現するための鍵とされています。
開発の背景
現在、通信業界では、従来の無線端末に大きな改修を加えることなくNTNの機能を実現しようという動きが広がっています。NTNでは、電波が端末に届く過程での「伝搬遅延」や、衛星の移動によって発生する「ドップラーシフト」といった特有の課題が存在します。これに対応するために、国際標準化団体である3GPPはRelease 17で新たに端末側の通信規格を設定しました。この新規格により、広域かつ安定した通信の実現に向けた技術が進められています。
MT8000Aの特長
アンリツのMT8000Aは、主に5G端末開発向けに設計された測定器です。この測定器は、5G端末がネットワークに正確に接続できることを確認するための「プロトコル試験」や、端末の電波接続容易性を試験する「RF試験」が行えます。さらに、MT8000Aは3GPP Release 17以降の試験基準に対応しており、NTNの環境においても「伝搬遅延」や「ドップラーシフト」をシミュレーションした試験が可能です。これにより、衛星通信特有の課題に対応できる5G NR NTN端末の開発が支援されます。
コミュニケーションの未来に向けて
今回の発表は、通信の発展に大きく寄与するものと期待されています。アンリツは、通信端末用の測定器を長年にわたり提供してきた実績があり、5G NR NTN端末の評価機能を強化することで、幅広いエリアでの通信環境の向上に貢献することを目指しています。衛星通信が実現されることで、より多くの人々が安定した情報通信の恩恵を受けることができるでしょう。
これからも、アンリツは最新の技術を取り入れた製品開発を進め、通信業界の未来を築く一翼を担っていく方針です。詳細な情報は、アンリツのFacebookページでもご覧いただけます。
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