理系への期待とイメージ調査から見える高校生の本音

スタディプラス株式会社が運営する「Studyplusトレンド研究所」が実施した「理系に対するイメージ調査」の結果が発表されました。この調査は、2025年12月2日から4日の間に、学習管理アプリ「Studyplus」を利用する高校生3,104名を対象に行われました。調査の目的は、文理選択の実態とそれに伴う課題を明らかにし、高校生が自己の志向に合わせた進路選択ができる環境づくりを目指すことです。

理系は増えるべきか

調査結果によれば、66.9%の高校生が「理系は日本国内で増えるべき」と考えています。一方で、33.1%の学生は「いいえ」と回答しました。この応答率は、理系への期待が大きい一方で、果たしてその道に進むことが容易であるかは別の問題を示しています。

理系職業の将来性については特に男性が高く評価しており、女性に比べて約13ポイントも高い結果が出ています。これは、従来から続く理系職種の男女比や業界内の文化などが一因かもしれません。

理系のイメージ

高校生の理系に対するイメージには、いくつかの共通する懸念点があることが見えてきました。「勉強や研究が忙しそう」という意見が8割にのぼり、さらに「男性が多そう」とのイメージも7割に達しました。これに加え、「就職に強そう」「生涯年収が高そう」との答えがそれぞれ6割を超えました。これらのイメージから、理系の道を選ぶことへの不安や、社会的なプレッシャーを感じる生徒が少なくないことが伺えます。

文理選択の影響

文理選択に関する意見も興味深い結果となりました。文系の選択理由に、「理系が苦手だから文系を選んだ」という回答が20.5%に対して、理系選考に苦手意識を持つ生徒はわずか3.5%でした。このことから、理系を希望する生徒が多いにもかかわらず、実際の選択肢が狭まっている可能性が浮き彫りとなります。

特に経済的な問題は、高校生の進路選択に影響を与えており、「学費が影響しないとしたら他の選択をしたか？」という問いに対しては80.1%が「関係ない」と答えています。しかし、「迷ったと思う」との回答も15.2%からは、経済的事情が選択の幅を狭める要因であることがわかります。

結論

調査結果は、理系分野への進学に対する期待が高校生の間で非常に高いことを示しています。一方で、理系特有のイメージ、例えば「多忙さ」や「男性優位」という先入観が、文系選択に影響を及ぼしていることも明らかになりました。理想の進路を選ぶには、経済的な不安や周囲の意見から解放され、自分のやりたいことに向かって進む環境づくりが必要です。未来の科学者やエンジニアが活躍できる社会を目指し、教育関係者や企業がこの流れを支援していくことが重要です。また、10年ぶりに化学賞と生理学・医学賞が同時に授与されたノーベル賞の結果は、多くの高校生にとって科学への関心を刺激するきっかけになっています。今後も、個々の志向や興味に応じた選択肢が広がることを願います。

Studyplusとは

「Studyplus」は、学習者の勉強記録を可視化し、他の学習者と共に励まし合いながら成長を促すアプリです。志望校や将来の目標に向けた情報を提供し、学習モチベーションの維持や向上をサポートするツールとして、日本国内で多くの学生に利用されています。どうぞ、今後の進路選択や学びの深め方に役立ててください。