福岡市でのスマート農業の取り組み
福岡市で新たな農業の形が始まろうとしています。2024年12月1日から、福岡市に位置する今津リフレッシュ農園で、株式会社アイナックシステムがAI技術を利用したスマート農業の実証実験を実施することが決定しました。このプロジェクトでは、半自動化された都市型農業の可能性を探ります。
実証実験の背景と理念
現在、多くのいちご農家はビニールハウス内の環境を一括で制御しています。この方法では、何らかの問題が発生した場合、同一条件下で栽培されているすべてのいちごが影響を受け、一気に収穫が失敗する恐れがあります。加えて、いちごの収穫は朝早くから夜遅くまで続くことが多く、労働環境が過酷です。
今回の実証実験では、1メートルの栽培棚を設置し、それぞれに水や液肥、土壌温度、補光を自動で管理できるコントローラーを導入します。これにより、同一ビニールハウス内において異なる環境条件で栽培が可能になり、リスクを分散させながら、収穫のタイミングを調整することができると期待されています。
AIいちご自動収穫ロボット『ロボつみ®』の特徴
アイナックシステムが開発した『ロボつみ®』は、特許技術を活用し、収穫作業に革命をもたらすロボットです。これには以下の特徴があります。
1. 事前に設定した経路を、自動で走行。
2. AIがいちごの大きさを10段階で評価し、適切な収穫時期を判断。
3. 優しい手触りを重視した特許取得の収穫ハンドで、いちごを優しく摘み取ります。
これにより、収穫労働時間を約60%削減し、従来と比べていちごはおよそ4日長持ちすることが確認されています。
実証実験の展望
このプロジェクトの実施により、いちご農家だけでなく、空港の売店やショッピングモール、社員食堂といった新たな市場への展開も視野に入れています。2025年1月以降は、関心のあるメディアや農業関係者の取材を受け入れる予定です。
まとめ
福岡市が進めるこのスマート農業プロジェクトは、いちごの収穫だけではなく、農業全体の自動化と効率化を目指しています。今後の技術革新がどのように農業に変化をもたらすのか、非常に楽しみです。