KIBOW社が愛さんさん宅食の全株式を譲渡
一般財団法人KIBOW(東京都千代田区、代表理事:堀義人)が運営する「KIBOW社会投資ファンド1号」は、宮城県塩釜市に拠点を置く愛さんさん宅食株式会社の全株式譲渡を完了した。この企業の代表取締役である小尾勝吉氏に株式が譲渡され、今後はこの企業を社会福祉法人へと転換する計画が明らかにされている。
愛さんさん宅食の位置付け
愛さんさん宅食は、障がい者や高齢者を対象とした福祉サービスを提供するソーシャルベンチャーであり、主に宮城県塩釜市や石巻市で事業を展開している。障がい者就労支援事業や医療対応型ホームなど、地域に根ざした包括的な福祉サービスを提供し、東日本大震災の被災地域における多様なニーズに応え続けている。KIBOWの支援を受ける中で、愛さんさん宅食は売上を約8億円にまで成長させ、100名以上の障がい者に雇用の場を提供することに成功した。これは、ビジネスを通じた社会課題解決の可能性を示すものとして注目されている。
小尾氏のリーダーシップ
小尾勝吉氏は、2011年の東日本大震災をきっかけに福祉業界に飛び込むことを決意。グロービス経営大学院で学んだ後、宮城県に移住し、そこで愛さんさん宅食を設立した。「生まれてきてよかった」という理念のもと、障がい者福祉を重視し、高齢者福祉との共生を目指したユニークな事業モデルを展開している。これにより地域課題の解決に挑戦し続けている。
今後の展望
小尾氏は、地域に密着しながら、声を持たない人々に光を当て、彼らが希望を持てる地域づくりに貢献したいと語っている。また「多くの人々に育てられた愛さんさんグループとして、恩返しをし続ける組織でありたい」との姿勢を示している。
KIBOW社の代表パートナーである山中礼二氏も、愛さんさん宅食の成長を喜ぶコメントを発表。かつては「宅食」という事業名の通り、主にお弁当宅配に特化していたが、現在では幅広いサービスを提供し、生きづらさを感じる人たちに居場所を提供する存在へと進化していると述べた。
社会的インパクトの強化
KIBOWの今回のEXITは、経済的リターンと社会的インパクトを両立させる取り組みのひとつとして位置づけられている。今後もKIBOWは、社会的課題に立ち向かう企業への支援を続け、持続可能な未来を目指した投資を行っていく方針を示している。
この取り組みにより、愛さんさん宅食はさらなる成長を遂げ、地域にとって欠かせない存在となることが期待されている。今後の動向に注目が集まる。
愛さんさん宅食株式会社概要
- - 設立:2013年
- - 事業内容:福祉事業等
- - 代表者:小尾勝吉
- - 所在地:宮城県塩釜市本町12-5
- - URL:愛さんさんグループ
KIBOWプロジェクトについて
KIBOWは、東日本大震災後に始まった支援プロジェクトであり、「希望」と「虹」から名付けられた。今後も地域の復興支援や社会的インパクト投資を通じて、持続可能な社会に向けた取り組みを継続する意向を示している。
更なる情報が必要な方は、KIBOWの公式ウェブサイトもご覧ください。
KIBOW公式サイト