大日本印刷と専門分野AI相談サービスの登場
大日本印刷(DNP)は、AI機能を積極的に用いた法律情報支援サービス「離コンパス」を提供する日本加除出版と、システム開発を行うHexabaseとの協業を発表しました。この新たなサービスは、法律やその他の専門分野に関する悩みを持つ人々のために設計されています。特に離婚や夫婦間の問題にフォーカスし、相談者が抱える不安や悩みを解消するためのサポートを提供します。
協業の背景と目的
近年、国内における公的機関への相談件数は増加しており、とりわけ「離婚」に関する相談は特に多く見受けられます。相談者の中には「どこに相談すれば良いのか分からない」「周囲に知られたくない」といった理由で相談をためらう人も多く、これが相談の質や量に影響している状況です。そういった課題を解決するためにDNPは、2024年12月に新潟県三条市でプライバシーに配慮した「メタバース役所」を導入します。この場所では、自治体職員や専門スタッフの代わりにAIアバターが相談に乗り、悩みを軽減することを目的としています。
「メタバース役所」と「離コンパス」の連動
「メタバース役所」は、AIを通じて生活者の悩みに耳を傾け、適切な行政サービスや書類作成を支援します。この取り組みにより、相談者は24時間いつでも気軽にAIアバターと対話でき、自身の状況や感情を整理する手助けを受けることができます。
具体的には、相談者がメタバース内で質問を入力すると、「離コンパス」がその質問を解析して回答を生成します。チャット形式でのやりとりを通じて、相談者に必要な情報を迅速に提供し、法律相談の質を高めることを狙っています。
未来の展望
DNPは今後、「メタバース役所」を多くの自治体に提供し、生活者の相談内容や課題に対する早期発見と適切な対応を進めていく予定です。また、2025年初春には「出張版離コンパス」を通じた住民相談の実証事業を行い、得られた結果をもとに新たなサービスの開発をおこなうことが計画されています。これにより、離婚以外の様々な相談テーマにも対応し、より多くの人々の課題解決に貢献することを目指します。
企業の役割
- - DNP: 「メタバース役所」の提供と、「出張版離コンパス」に使用するAIアバターの開発
- - 日本加除出版: 「離コンパス」の運営
- - Hexabase: 「離コンパス」の開発支援とメタバース役所への導入サポート
これら3社の協力により、法律に関する知識を持つAIアバターが相談者をサポートし、悩みの解決をサポートします。
最後に
この新しいAI相談サービスが、悩みを抱える多くの人々の力になり、より良い相談環境を提供することが期待されています。現代社会における法的問題へのアプローチが進化しつつある今、私たちの身近になるこのサービスがどのように発展していくのか、今後の動向に注目が集まります。