埋蔵労働力資産とは? 日本に眠る潜在的な労働力、いわゆる「埋蔵労働力資産」。株式会社うるるが新たに試算を行い、これが持つ経済的価値が約135兆円に上るとの結果を示しました。これは、日本国内のGDPの約2割に相当します。この資産は、未活用の労働力およびIT・AIの進展によって今後代替される労働力の二つから生まれています。
どこに眠る未活用労働力? 「埋もれている労働力」と呼ばれる、働きたいのにさまざまな事情で働けない労働者の存在は、特に目を引きます。たとえば、育児や介護で忙しい主婦層やフリーランスとして働く人々などがこれに該当します。このような層から生まれる労働力は、約15兆円に達すると試算されています。
一方で、ITやAIの進化によって、既存の業務が代替されていく未来が見込まれています。この段階的な変化の中で生じる「埋もれゆく労働力」は、それによって約120兆円の新たな価値を生むと期待されています。
なぜ「埋蔵労働力資産」が重要なのか? 日本が直面する労働力不足問題は深刻であり、この「埋蔵労働力資産」の提唱は、労働市場の活性化と経済成長に向けた新たな契機を生み出すものと考えられています。現在の日本は、人口減少が進んでおり、2023年度の合計特殊出生率が過去最低の1.20を記録しています。このままでは、労働市場がますます縮小していく一方です。
ここで重要なるは「人が行うべき業務」と「テクノロジーが担うべき業務」の適切な再分配です。業務の効率化を伴うテクノロジーの導入が進む中でも、創造的な思考や人とのコミュニケーションには、やはり人が必要です。そのため、両者を上手く組み合わせて、労働力を最大限に活用することが求められます。
うるるのビジョンと新たな提案 うるるの取り組みは、単なる企業の努力にとどまりません。多様なステークホルダー、すなわち企業、自治体、教育機関が連携して、「埋蔵労働力資産」の活用について検討する必要があります。これにより、新たな雇用創出や経済成長の機会が生まれる可能性があります。
専門家もこの取り組みを評価しており、企業や社会全体がこの資産をどのように利用していくかが今後の鍵になると述べています。「イノベーションと創造性」を重視するこれからの労働市場において、テクノロジーの進化を追い風に、埋まっている労働力の活用を進めることが日本経済に貢献する道ではないでしょうか。
この新たな視点が、日本が抱える労働力不足問題を解決に導くことを期待しつつ、今後の「うるる」の成長と革新を見守りたいと思います。
まとめ 「埋蔵労働力資産」の概念を通じて、日本の労働市場が新たな光を見出す時が来ています。この約135兆円の潜在的な資源をどう活用していくかが、日本の持続可能な成長の鍵となるでしょう。今まで以上に多様な働き方が求められる社会において、私たち一人ひとりがその一端を担う役割を持つべきです。