椎葉村と新しい目的地創出に向けた協定
近年、日本の観光業は大きな変革を求められています。特に、人気の観光地では「オーバーツーリズム」が話題になり、持続可能な観光が求められるようになりました。そこで、地方創生プロデュースの株式会社さとゆめと旅行会社HISが、宮崎県椎葉村と協定を結び、新たな目的地を創出するプロジェクト「Destination Create Project(新・目的地創出事業)」の実施へと進みました。
このプロジェクトの狙いは、ただの観光名所であるだけでなく、地域の文化や自然と調和した新しい体験を提供することです。椎葉村は、その選定の背景にあり、四季折々の美しい自然と共に、民俗学の発祥地としても知られています。特に、村に由来する焼畑文化や神楽、平家伝説は、観光客に独特の体験を提供できる要素です。
協定の背景と目的
近年のインバウンド観光客数の回復を受け、観光業界は変化の真っ只中にあります。特に既存の観光地へ向かう旅行客の増加は、観光地周辺の負担を大きくし、それが地域文化や自然環境に影響を与えるケースが増えています。そうした中で、新しい旅の目的地を創造する重要性が高まっているのです。椎葉村は、この新しい目的地づくりにおいて、自然環境と地域文化を背景に持つポテンシャルを秘めています。
さとゆめは、椎葉村の焼畑文化の継承・発展のための取り組みを以前より行っていました。新しいプロジェクトを通じて、さらに多様な分野での協力を目指し、地域問題の解決に取り組んでいきます。この協定により、地域の魅力を発信するための観光戦略や、インバウンド客の誘致、更にはSDGsの推進など、幅広い連携が計画されています。
主な連携事項
さとゆめ、HIS、椎葉村の三者は、以下のような共同プロジェクトを進行していきます:
1. 地域振興と地方創生の推進
2. 観光・地域の魅力発信
3. インバウンド戦略の策定・実行
4. 観光施設などへの誘客促進
5. 地域への関与人口の創出
6. 企業誘致や連携
7. SDGs推進
8. 自然環境の活用と保全
9. 文化、産業観光の振興
10. その他の目的達成に必要な事項
代表者の想い
この協定においては、椎葉村の村長である黒木保隆氏がしっかりとしたビジョンを示しています。「かえりたい郷で生きていく」という理念のもと、地域の活性化を進めていく意向を明かしました。観光振興の促進は、人口の増加や地域経済の発展に寄与する重要なポイントです。
また、さとゆめのCEO、嶋田俊平氏も椎葉村に魅了され、焼畑文化の継承を重視しているとのこと。地域の魅力を体感してもらえるような観光づくりを目指すと強調しました。さらにHIS副本部長、加治木宏氏も椎葉村の秘境としての魅力を世界に発信し、持続可能な観光地域としての認知を促進する考えを明かしています。
まとめ
この新しいプロジェクトは、椎葉村の豊かな自然と文化を背景にした持続可能な観光の在り方を追求しています。新しい旅の目的地を築くことで訪れる人々に特別な経験を提供するとともに、地域の活性化にもつながることが期待されます。今後の進展が楽しみなこのプロジェクトから目が離せません。