音叉型水晶振動子
2025-12-09 11:30:41
世界最小サイズを実現した音叉型水晶振動子の量産開始
セイコーインスツルが世界最小サイズの音叉型水晶振動子「SC-10S」を発表
セイコーインスツル株式会社(以下、SII)は、2026年4月から音叉型水晶振動子「SC-10S」の量産を開始することを発表しました。この新しい振動子は、サイズが1.0×0.8×0.32mmという、音叉型振動子の中で世界最小のサイズを持ちつつ、低ESRを実現しています。
開発の背景
近年、スマートデバイスやIoT機器の普及が進む中、限られたスペースに効率良く電子部品を収納する技術が求められています。
特に、スマートウォッチやスマートリングといったウェアラブルデバイスでは、コンパクトな設計が必須です。これに応えるため、SIIは独自のフォトリソグラフィー技術を駆使して、実装面積を従来品より33%削減した「SC-10S」を開発しました。
特徴
1. 世界最小サイズを実現
SIIの技術により、音叉型振動子としての精度を維持したまま、これまでにない小型化を実現しました。
すなわち、サイズが1.0×0.8mmという驚異的な寸法を持っています。この小型化は、ウェアラブルデバイスでの使用をさらに促進するでしょう。
2. 低ESRの両立
通常、小型化に伴い直列抵抗値(ESR)が増加する傾向にありますが、「SC-10S」は、従来品と同等の低ESR(90kΩ max.)を維持することに成功しました。この特性により、省エネ性能が向上し、長時間の使用が可能となります。
3. 高い耐衝撃性と周波数安定性
この製品は、衝撃や振動の多い環境下でも高い周波数安定性を持つため、信頼性の高い動作が保証されます。スマートデバイスが直面する様々な状況において、そのパフォーマンスは保たれます。
主な仕様と用途
「SC-10S」は、様々なウェアラブル機器(スマートリング、スマートウォッチ)、Bluetooth通信モジュール、リアルタイムクロック(RTC)などに広く使用される予定です。
また、各種マイコンのサブクロックとしても応用されており、多様なシーンでの活躍が期待されています。
生産スケジュール
SIIはこの振動子のサンプルを2025年12月から出荷し、2026年4月には量産を開始する計画です。新技術を活かした「SC-10S」は、小型化が進む未来のデバイスにおいて重要な役割を果たすことでしょう。
今後の発展に注目が集まるこの製品は、次世代のウェアラブルデバイスやIoT機器の核となることでしょう。
会社情報
- 会社名
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セイコーインスツル株式会社
- 住所
- 電話番号
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