VicOneとエレクトロビットの連携
自動車業界のサイバーセキュリティが新たな進化を迎える中、トレンドマイクロの子会社である
VicOne株式会社は、エレクトロビットとの連携を発表しました。この協力により、同社の車載侵入検知・防御システム「xCarbon」がエレクトロビットの車載オペレーティングシステム「EB corbos Linux」との互換性認証を取得し、自動車メーカー及びサプライヤーに向けて新たなセキュリティソリューションを提供します。
SDV時代への対応
自動車メーカー(OEM)やそのサプライヤーは、もはや単なる自動車の開発を超えて、
SDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)の開発を進めています。しかし、これに伴い複雑なE/E(電子/電気)アーキテクチャや、より短い開発サイクルへの対応が求められています。今回の互換性認証により、VicOneは事前検証済みのサイバーセキュリティソリューションを市場に提供し、これまでにかかっていた検証作業の負担を軽減しながら、開発スピードを加速させることが可能になりました。
xCarbonの特長
VicOneの「xCarbon」は、次世代のイーサネットファイアウォールとして設計されており、急速な技術革新に対応するための性能を追求しています。このシステムは、仮想マシンやコンテナ環境を通じた仮想化にも対応しており、エッジAIを活用して
VSOC(車両セキュリティオペレーションセンター)機能を車両内に実装可能としています。さらに、重要なセキュリティイベントのデータのみをクラウドへ送信する仕組みを採用しており、データ転送量およびクラウド処理コストを最大60%削減することができます。
EB corbos Linux
エレクトロビットの「EB corbos Linux」は、安全性を重視して開発されたオープンソースベースの車載オペレーティングシステムです。このOSは、お客様が共通のインフラストラクチャを持つアプリケーションの統合を簡素化するため、厳格な検証プロセスを経て設計されています。これにより、自動車メーカーやサプライヤーは、より高品質でコンプライアンスを遵守した製品を効果的に導入することができます。
マックス・チェンCEOのコメント
VicOneの最高経営責任者(CEO)である
マックス・チェンは、自動車メーカーにとって市場投入までのスピードがいかに重要かを強調しています。「EB corbos Linuxのような事前統合されたプラットフォームは、検証サイクルを短縮し、誤検知を減らすための重要な役割を果たすでしょう。これにより、自動車メーカーの市場投入期間短縮を支援します」と述べました。
まとめ
VicOneとエレクトロビットの連携は、自動車業界に新たな可能性をもたらすだけでなく、安全かつスマートな車両を実現するための重要なステップです。今後、この協力がどのような革新を生むのか、業界全体が注目しています。