新たな感染症研究
2016-12-11 00:30:02
ハーバード大学附属病院とOSTRIGENが手がける新たな感染症治療研究
ハーバード大学とOSTRIGENが挑む感染症治療の新展開
ハーバード大学医学部に属するベス・イスラエル・ディーコネス・メディカル・センター(BIDMC)と、オーストリジェンInc.が共同で新たな研究プロジェクトを開始しました。このプロジェクトは、クロストリジウム・デフィシル感染症という多剤耐性菌による感染症の治療に焦点を当てています。これを実現するために、ダチョウ由来の抗体を経口で投与するという革新的なアプローチを採用することが注目されています。
クロストリジウム・デフィシル感染症とは
この感染症は、特に先進国において消化器系の深刻な問題とされ、院内感染の一因として知られています。耐性菌であるクロストリジウム・デフィシル菌は、感染した患者に対して高い死亡率をもたらす可能性があります。そのため、早急な治療法の開発が求められています。
研究の内容と目標
今回の研究では、クロストリジウム・デフィシル菌が生産する毒素に対抗するための抗体を開発することに主眼が置かれています。不活性化毒素を用いて、日本にあるオーストリジェンの関連施設でダチョウに抗体を生成させ、これを経口投与する方法が試行されます。ダチョウは非常に強力な免疫システムを持ち、抗体の生成において高い効果が期待されています。
著名な研究者たちの参加
このプロジェクトは、ハーバード大学のシアラン・ケリー教授とシンファ・チェン准教授、さらに京都府立大学の塚本康浩教授が主導する形で展開されます。ケリー教授は、ダチョウ由来の抗体を用いた治療が、感染症に対して効率的な免疫治療法になり得ると考えています。
先行研究と展望
塚本教授は、過去にダチョウ抗体を用いて様々な消化器系感染症の治療方法を開発しており、今回の研究にも大いに期待を寄せています。また、彼はアメリカ陸軍感染症医科学研究所と連携し、エボラやMERS、ジカ熱に対抗する薬剤の研究も進めていることがわかります。
べス・イスラエル・ディーコネス・メディカル・センターとは
べス・イスラエル・ディーコネス・メディカル・センター(BIDMC)は、ハーバード大学医学部の教育附属病院であり、常に全米で高い評価を得ています。研究や治療の質の高さは広く認められており、特にNIHからの助成金を受けた研究も数多く行われています。
OSTRIGENの概要
オーストリジェンInc.は2015年に設立され、多種多様な病原体やアレルギー物質に対抗する抗体の開発を行っています。すでにダチョウの抗体を利用した製品も展開しており、その強力な免疫効果が期待されています。日本にある子会社のOSTRIGEN BIOMEも、製造販売を行う中で新たな治療法を模索しています。
この共同研究は、今後の感染症治療において新たな道を開く可能性を秘めており、多くの人々の健康を守るための貴重な試みです。研究の成果が実を結ぶことを期待しましょう。
会社情報
- 会社名
-
OSTRIGEN BIOME株式会社
- 住所
- 東京都港区虎ノ門3-18-12ステュディオ虎ノ門806
- 電話番号
-
03-6432-0998