キャリアオーナーシップを基盤にした未来の働き方を模索する第5期コンソーシアム始動
2025年度の「キャリアオーナーシップとはたらく未来コンソーシアム」が新たな一歩を踏み出しました。41の企業・団体が集まり、個人と企業が共に成長する新たな関係性を模索しています。運営を担うのは、パーソルキャリア株式会社であり、コンソーシアムの活動は、今後の企業や社会との関係を再構築することを目指しています。
このコンソーシアムは、「キャリアオーナーシップ人材」が企業の持続的な成長にどのように寄与するかというテーマで議論や実践、検証を行います。参画企業は、個人の主体的なキャリア形成を重要視し、企業の中長期的な成長を促す実践方法に取り組むことが期待されています。今回の第5期は、前の期から継続参加する企業に新たに12社が加わり、合計41社の連携で進められることとなりました。
研究会の活動内容
この研究会の主な目標は、各企業が持つ人的資本経営、ウェルビーイング経営、パーパス経営を推進するために、従業員のエンゲージメントや自律性を高める施策を実行し、その実績と課題を共有することです。持ち寄った課題を形式知に変換し、成長するキャリアオーナーシップを企業の戦略に素直に織り込む試みがなされています。
第5期の研究会では、「二周目の課題」と「二つの新テーマ」に焦点を当てています。二周目の課題では、過去に得た実践上の知見をもとに、新たに可視化された論点を解決しようと取り組んでいます。これには、キャリアオーナーシップ人材を有効活用するための管理職の育成や組織活性化に関する課題などが含まれます。
また、二つの新テーマの一つ目として、AIを活用した人事の変革が挙げられています。個々のキャリアオーナーシップが組織価値にどのように結びつくかを模索し、パーソナライズされたキャリアの実現に向けた具体的な戦略を探る取り組みです。二つ目のテーマは、キャリアオーナーシップ人材の採用戦略に関するもので、従来のキャリア開発に加え、採用から育成、昇進に至るまでのトータルなプロセスを再構築する試みです。
キャリアオーナーシップとは何か
「キャリアオーナーシップ」という言葉は、経済産業省の報告書で、個人が自分自身のキャリアについての意識を高め、納得できるキャリアを築くために行動することを指しています。これは、持続的な企業価値の向上のためにも重要な概念であり、企業は従業員に多様な働き方の選択肢を提供し、自律的なキャリア形成を支援することが求められています。
このコンソーシアムでは、企業が明確なキャリアパスを提示するのではなく、個々の従業員が主体的にキャリアを形成できる環境を整えることが重要視されています。このような取り組みによって、企業と個人が共に成長する「キャリアオーナーシップ経営」が促進されること目指しています。
今後の展望
「キャリアオーナーシップとはたらく未来コンソーシアム」の活動は、参加企業が持つ暗黙知を集約し、形式知化することが中心となります。その結果、業界を超えた新たな働き方の確立に向けた具体的な提言が行われることが期待されるため、企業はこの情報を活かし、実践へと結びつけることが重要です。
このような取り組みは、個々の成長を支えながら、持続可能な企業の未来を築く重要な手段となるでしょう。キャリアオーナーシップを中心に据えた、個人と企業の新たな関係を確立していくことで、壮大な社会の進化を後押しするはずです。これからの活動がどのような実を結ぶのか、目が離せません。