鈴廣かまぼこが2024年度グッドデザイン賞に輝く
神奈川県小田原市に本社を持つ鈴廣かまぼこ株式会社が、2024年度グッドデザイン賞を受賞しました。この受賞は、「かまぼこ製造を起点とした循環型社会への取り組み」として評価され、同社が2009年から進めている食の資源循環モデル「うみからだいち」がベースとなっています。
循環型社会への各種取り組み
「うみからだいち」は、かまぼこ製造の過程で発生する魚の骨や皮を再利用し、オリジナル肥料を生産するプロジェクトです。この肥料は、米や野菜、果物の生産に活用され、育成された農産物は鈴廣が展開する飲食メニューやデザートに使用されています。この鍵となる仕組みは、廃棄物の削減を実現するだけでなく、有機肥料による環境保全にも寄与しています。
うみからだいちプロジェクトの具体的なメリット
- - 資源の再利用: かまぼこ作りで発生する魚の骨を無駄にせずに肥料として活用。
- - 天然素材の活用: 魚から生成された肥料は、農業にとっての新たな資源となる。
- - 環境改善: 肥料から供給された栄養素は土地を豊かにし、結果として海の環境にも好影響を及ぼす。
このように、鈴廣の循環型社会への取り組みは、地域の農業と結びつき、地元の生産者との良好な関係を築くことで、持続可能な産業を形成しています。
審査員からの高評価
審査委員は、鈴廣かまぼこの取り組みについて「老舗蒲鉾メーカーが行った、この革新的なアイディアは、経済的側面、地域の特性、そして人と人との関係性を強化する非常に効果的なモデルだ」と高く評価しました。地域に根ざしたビジネスが、環境問題に対する解決策を提供できることを示しています。
繋がりを大切に
鈴廣かまぼこでは、地元農家に対し化学肥料から魚肥への移行を奨励し、その協力を得て収穫物を買い取っています。その収穫物は、自社で運営するレストランや「かまぼこ博物館」にて提供されるなど、地元経済にも貢献しています。
グッドデザイン賞とは
グッドデザイン賞は、1957年に創設され、デザインを通じて日本の産業文化を高めることを目的とした国内最大の評価制度です。受賞は50,000件以上にのぼり、「Gマーク」は良いデザインの象徴として広く知られています。この権威ある賞を受けることで、鈴廣かまぼこのブランド力や信頼性がさらに向上することが期待されます。
このように、鈴廣かまぼこはただの食材を提供する企業ではなく、さらなる未来のために地域や環境を思いやる企業としての姿勢を示し続けています。今後の展開にも注目です。