再生医療の新発見
2019-10-31 10:30:13

再生医療へ大きな一歩!タンパク質GREM2の発見とその意味

生体組織再生の新たな研究成果



藤田医科大学の応用細胞再生医学講座と日本メナード化粧品株式会社は、共に再生医療に貢献するための共同研究を行ってきました。この研究の中で、幹細胞が持つ再生能力に関与する新たなタンパク質「GREM2(グレムリン2)」が発見され、注目を集めています。2019年10月26日、科学雑誌「Regenerative Therapy」にこの研究成果が掲載されました。

GREM2の発見



GREM2は、間葉系幹細胞の分化能力を抑制するタンパク質です。この研究では、皮下脂肪に存在する間葉系幹細胞を中心に、加齢に伴う変化について詳細に解析が進められました。研究の結果、以下の3つの重要なポイントが明らかになりました。

1. 分化抑制: GREM2は、間葉系幹細胞の脂肪細胞への分化を抑制します。
2. 加齢の影響: 加齢が進むにつれて、皮下脂肪内でのGREM2の発現量が増加します。
3. 分化能の改善: GREM2の発現量を減少させることで、間葉系幹細胞の分化能力を高めることが期待できます。

GREM2と生体組織の維持



生体組織の再生には、幹細胞から新しい細胞が供給されることが極めて重要です。GREM2が幹細胞の分化能力に及ぼす影響は、このプロセスに深く関連しています。加齢によりGREM2の発現が増加することは、幹細胞の機能を低下させ、組織の再生能力を衰えさせる一因であることが、この研究から示唆されます。

このタンパク質のメカニズムを解明することで、加齢に伴う組織再生の低下を克服する道筋が見えてきました。つまり、GREM2の発現をコントロールする技術が確立されれば、生体組織の再生能力を向上させ、さらに再生医療の発展が期待できるということです。

皮下脂肪の重要性



研究における間葉系幹細胞の主な供給源として注目されているのが皮下脂肪です。この組織は幹細胞が豊富に存在するため、他の組織と比較して分離しやすく、再生医療への応用が進められています。GREM2の発見は、再生医療分野に新たな可能性を示しています。

まとめ



藤田医科大学と日本メナード化粧品の共同研究によって発見されたGREM2は、再生医療における重要な鍵となるかもしれません。加齢による幹細胞の能力低下を防ぐため、GREM2の発現量を適切に制御できる技術が生まれれば、再生医療のさらなる進展が期待されます。今後の研究及び臨床応用に対する期待が高まる中、GREM2の研究がどのような成果をもたらすのか、注目が集まっています。

会社情報

会社名
日本メナード化粧品株式会社
住所
愛知県名古屋市
電話番号
052-531-6263

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