NISAに関する有識者会議の第3回議事要旨を徹底解説

NISAに関する有識者会議の第3回議事要旨

令和7年7月10日に開催された第3回NISAに関する有識者会議の議事要旨について、詳細に解説します。この会議では、現行制度の評価と今後の方向性について専門家の意見が交わされました。

設定と背景

この会議は、11時から12時まで中央合同庁舎第7号館で実施され、主にこれまでの議論のポイントや、税制のEBPM（エビデンス・ベースド・ポリシー・メイキング）に関する議題が話し合われました。

議論の主なポイント

事務局からの説明に続き、メンバーから様々な意見が出ました。以下、議論の洗い出しを行います。

効果検証に関する意見

NISA制度が始まったのは比較的最近であり、効果の検証が難しいことが指摘されました。特に、3年から5年といった長いスパンでの評価が必要との意見がありました。

利用者層の分析

利用者層の年齢や収入階層に基づくクロス分析が求められています。具体的には、年収500万円未満の利用者が高齢者から若年層に及んでいるとの指摘があり、特に20代以下では70%を超えることが指摘されており、30代でも50%を超しています。

投資ニーズの多様性

投資家のニーズは様々であり、NISAの提供する商品だけで全てに応えられるわけではないというコメントがありました。制度以外の取り組みとの組み合わせが効果的であるとの意見も出ています。

国内投資の活性化

国内の投資促進が重要な一方で、高成長の海外市場への投資が進むことも理解すべきとの意見がありました。家計の安定した資産形成を優先しつつ、投資先のバランスを保つ必要があります。

資産価値の保護

特にインフレ局面で資産が目減りしないよう、NISAのような税制優遇制度の重要性が確認されました。これにより、実質的な資産価値を守る手段としての役割が十分に認識されています。

今後の方向性

中間層に対する理解が重要であることが強調されました。ライフステージや経済状況によって多様な投資ニーズが存在するため、すべての人が安定した資産形成ができるよう、さらなる検討が必要です。

また、企業のガバナンスを支援する投資も重要であり、長期的な視点での直接投資を推進することで、企業成長の果実が家計に還元されることが期待されています。これが中間層の形成にも貢献するでしょう。