紅茶ポリフェノールの新たな可能性を探るセミナー開催レポート

はじめに

近年、紅茶の健康効果に注目が集まり、ポリフェノールに関連する研究が進展しています。その中でも、一般社団法人ウェルネス総合研究所は、紅茶に含まれるポリフェノールの研究拠点「紅茶ポリフェノールラボ」を設立しました。このラボは、紅茶の健康効果についての情報発信を目的としています。2025年10月30日、メディア関係者向けに「紅茶ポリフェノールラボ発足セミナー」が開催され、興味深い講演が行われました。

セミナーの概要

このセミナーでは、ポリフェノール研究の権威である甲南女子大学の准教授川畑球一先生と静岡県立大学の客員教授中山勉先生の2名が登壇し、それぞれポリフェノールの基礎知識と紅茶ポリフェノールの健康効果について講演しました。

講演「ポリフェノールの可能性」 - 川畑球一先生

川畑先生は、ポリフェノールが約8000種類存在し、多様な機能を持つことを説明しました。特に注目されたのは抗酸化作用や抗がん作用のメカニズムであり、ポリフェノールが腸内フローラに与える影響についても触れました。最近の研究では、ポリフェノールのほとんどが小腸で吸収されず、腸内細菌によって利用されることがわかってきています。これにより、ポリフェノールと腸内細菌との相互作用が健康に重要であることが示唆されています。

講演「知られざる紅茶ポリフェノールの働き」 - 中山勉先生

中山先生は、紅茶が世界で最も飲まれている飲料の一つであり、その中で特に注目されるポリフェノールの種類や特性について述べました。紅茶に含まれるテアフラビンやテアルビジンは、脂質膜との親和性が高く、生理活性作用が豊富であることが実験結果から示されています。特に、紅茶ポリフェノールがインフルエンザウイルスやコロナウイルスに対する効果、血流改善、コレステロールの低下に寄与する可能性があることが報告されました。