新しいインフルエンザワクチン
2025-07-31 15:53:27

住友ファーマの新しいユニバーサルインフルエンザワクチン候補の臨床試験結果

住友ファーマ株式会社と国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所(NIBN)は、新しく開発したTLR7ワクチンアジュバント(DSP-0546)を使用したユニバーサルインフルエンザワクチン候補製剤について臨床試験(フェーズ1試験)を実施しました。本研究は、インフルエンザウイルスに対する効果を最大限に発揮することを目指しています。

この試験は、2024年5月14日に開始され、現在までの中間解析結果は概ね良好な忍容性を示しています。特に、免疫原性に関する評価も進んでおり、今後の段階に進展するための重要なデータとなります。試験は、投与から1年後まで継続する予定で、ユニバーサルインフルエンザワクチンの早期実用化を目指して研究が進められています。

ユニバーサルインフルエンザワクチンの必要性



従来のインフルエンザワクチンは、流行する型に応じたワクチン製造が必要で、ウイルスの変異に対応しきれない問題があります。このため、毎年異なるワクチンが必要になるため、インフルエンザウイルスに迅速に対応することが難しいのです。

その点、本剤は異なるタイプのインフルエンザウイルスに広範な効果が期待できるため、季節性インフルエンザウイルスだけでなく、新たなパンデミックを引き起こす可能性のあるウイルスにも効果を示すことが確認されています。これにより、より効果的にインフルエンザの流行を抑制できる夢のワクチンが誕生することが期待されています。

TLR7アジュバントの機能



TLR7アジュバント(DSP-0546LP)は、ウイルス由来のRNAを感知し、自然免疫を強化するメカニズムを持ちます。このアジュバントを用いることで、免疫応答の質や持続性が高まるため、ワクチンの効果を増強させることが可能です。

今後も住友ファーマとNIBNは、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)の支援を受けながら、このユニバーサルインフルエンザワクチンの研究を進める予定です。特に、産学官が協力し、研究開発を加速するための新たな基盤の形成が望まれています。

この新型ワクチンの研究開発が進展することで、多くの人々がインフルエンザウイルスの脅威から守られることが切に期待されます。現段階では、住友ファーマとNIBNの共同研究「万能インフルエンザワクチンの研究開発」が注目されています。なお、本研究は2019年から始まったもので、CIKLEの助成により実施されています。

今後の進捗にご注目ください。


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会社情報

会社名
国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所
住所
大阪府茨木市彩都あさぎ七丁目6番8号大阪府茨木市彩都あさぎ七丁目6番8号
電話番号
072-641-9832

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