浜松市新ごみ処理施設の整備計画
浜松市が抱える老朽化した西部清掃工場の問題に対し、JFEエンジニアリング株式会社が新たなごみ焼却処理施設の整備を担うこととなりました。この取り組みは、地域社会における廃棄物処理の効率化を図るものであり、今後の浜松市における環境保護にも寄与することが期待されています。
事業の概要
この事業において、浜松市はJFEエンジニアリングに対して、現行の清掃工場を更新することを依頼しました。新しいごみ焼却処理施設は、ストーカ方式の焼却炉を採用し、1日に139トン処理可能な炉を三基設置する計画です。事業実施にあたって、JFEエンジニアリングは設計・施工とともに、20年間の運営業務も手掛けることとなり、DBO方式(設計・施工・運営一括発注)で運営を行います。
高効率な発電と環境への配慮
新たな施設では、国内の一般廃棄物処理施設としては最高効率となる高温高圧ボイラを導入します。これにより、最大限の売電量を見込むことができ、収益性の向上が期待されます。また、施設のZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)化により、二酸化炭素の排出量を可能な限り低減することを目指します。
さらに、JFEエンジニアリングが開発した「高温空気燃焼技術」を基にした「対向流燃焼方式」が採用され、ひいてはAIを活用した自動運転システム「BRA-ING®」を導入。これにより、様々なゴミの量や質に対しても安定した燃焼を実現し、発電出力を向上させることができるのです。
安全対策と強靭化
当施設は、万一の自然災害にも耐えられるよう、万全の耐震対策が施されます。南海トラフ地震をはじめとする大型地震や近年増加している風雨災害に備えるため、詳細な強靭化施策が計画されています。また、火災対策としてAI煙検知システム「Smoke AI」なども導入され、安全性の高い運用が図られる予定です。
循環型社会の形成
焼却処理によって発生する副生成物(主灰・飛灰)については、協力企業9社と連携し、全量を資源化します。これにより、循環型社会の実現に寄与し、地域の持続可能な発展を推進していく考えです。
結び
JFEエンジニアリングは今後も、廃棄物の効率的な利用とSDGs(持続可能な開発目標)の達成を目指し、最新の技術とノウハウを活かしていきます。新たな清掃工場の整備運営は、単なるごみ処理だけでなく、地域社会と環境問題に対する深い配慮から成り立っていることを強調したいです。今後の動きに注目したいところです。