大阪大学発のEX-Fusion、核融合発電を目指し新たな資金を調達
大阪大学ベンチャーキャピタル株式会社(OUVC)は、2023年5月30日に大阪府吹田市に本社を持つ株式会社EX-Fusionに対し、500百万円の投資を実行しました。この投資はOUVC2号投資事業有限責任組合から行われ、EX-Fusionにとっては2022年3月からの二度目の資金提供となります。
EX-Fusionは、大阪大学レーザー科学研究所の研究を基盤にしたベンチャー企業であり、レーザーによって生成された核融合反応を活用することで発電を行うことを目的としています。そのビジョンは、持続可能な「究極のクリーンエネルギー」である核融合発電の実現に挑戦することです。
核融合発電の重要性
近年、温室効果ガスの排出削減が求められ、脱炭素社会の実現が進められる中で核融合発電への期待が高まっています。これにより、温暖化の加速を抑えるための新しい手段が求められているのです。EX-Fusionが手がける核融合は、資源が豊富に存在する海水から実現可能であり、持続可能であることから、クリーンエネルギーとしての大きな可能性を秘めています。
特に、EX-Fusionは連続的かつ効率的に核融合反応を発生させる技術の開発を行っており、2023年10月からは大阪大学との共同研究拠点「EX-Fusionレーザー核融合共同研究部門」を設立しました。この場を借りて、レーザー照射システムの実証を進め、商用炉の開発を加速させる計画です。
投資の意義
今回の資金調達により、EX-Fusionはコア技術の原理実証を推進します。目指すのは、1秒間に10回の核融合反応を連続で発生させる「連続運転」の実現です。投資家にはOUVC2号ファンドをはじめ、MPowerなど複数の機関が名を連ねています。
EX-Fusionの代表取締役である松尾一輝氏は、OUVCによる支援の重要性を強調しています。「私たちの技術を社会に実装するために、OUVCの支援は大きな意義を持つ」と述べ、今後のレーザー核融合発電の発展に期待を寄せています。
EX-Fusionの企業情報
EX-Fusionは、2021年7月に設立され、レーザープラズマの受託研究、プラズマ連続発生装置の製造、核融合システムに関する技術提供を行っています。所在地は大阪府吹田市の大阪大学テクノアライアンス内に位置しています。企業の公式ウェブサイトは
こちら です。
OUVC2号ファンドの概要
この投資の背景には、OUVC2号ファンドの設立があります。OVUC2号ファンドの規模は106.5億円で、運用期間は2032年までです。投資対象は、大阪大学や他の国立大学の研究成果を活用したベンチャー企業に特化しています。
EX-Fusionの活動は、核融合エネルギーの商用化に向けた大きな一歩となり、持続可能な未来を支える可能性を秘めています。今後も注視していく必要があります。