年賀状じまいの実態とは？手間と心理的解放感に迫る調査結果

年賀状じまいの実態とは？

近年、年賀状じまいを選択する人が増加しています。これは、一見すると郵便料金の値上げが主な要因のように見えますが、実際の理由はもっと複雑です。葬儀社の比較サイト「葬儀の口コミ」を運営する株式会社ディライトが実施した1,003人に対する調査結果と、実際に年賀状じまいを経験した二人の女性へのインタビューから、見えてきたのは「手間」という根本的な問題です。

調査の背景

2024年10月、ハガキの郵送料金が63円から85円に引き上げられたことで、年賀状じまいを決断する声が増えてきました。この調査では、年賀状じまいを実施した理由として、郵便料金の値上げを挙げたのはわずか19.4%にとどまり、実に43.2%が「手間の軽減」をその理由にしていました。また、42.7%が「メールやSNSで十分」との声も聞かれ、これらの新しいコミュニケーション手段が年賀状じまいの背景にあることも少なくありません。

インタビューに見る本音

山本さん（仮名・30代前半・2児の母）

山本さんは毎年の年賀状作成に約3,000円の費用がかかり、さらにその作業負担も心のストレスになっていたといいます。「年賀状を気にしなくていいという安心感が、気持ちを軽くしてくれました」という言葉には、単に金銭的な負担だけでなく、時間や労力の大きさが反映されています。しがらみから解放されたと感じる彼女の姿には、年賀状じまいのメリットが浮かび上がります。インタビューでは、LINEやSNSを利用した代替コミュニケーションの方法も提案されています。

木村さん（仮名・30代後半・2児の母）

喪中を契機に年賀状じまいを決意した木村さんは、年賀状作成に毎年１週間を要していました。「続けてきた人間関係を見直す良い機会として捉えました」と語ります。ノスタルジックな年賀状文化の整理は、彼女の精神的負担を軽減し、新たな人間関係の築き方を模索する契機になっています。年賀状を減らすことで実際に感謝の声も多く寄せられ、「言い出してくれてありがとう」という言葉は彼女の新たな安心感を生んでいます。