大学生の情報利活用と生成AIの活用実態
東京都内の大学に通う学生たちを中心に、公益社団法人東京広告協会が実施した『大学生の情報の利活用に関する大学生意識調査』の結果が発表されました。この調査は、デジタルネイティブ世代と呼ばれる現在の大学生が、日常的に接している情報の取り扱いや発信方法についての意識を浮き彫りにすることを目的としています。
調査は、2023年8月15日から8月22日にかけて行われ、全国の4年制大学に在籍する男女1,000人を対象に、WEBアンケート方式で実施されました。このプロジェクト『FUTURE2024』は、大学のマーケティング学部に在籍する学生たちが主体となり、自ら企画・実施・分析を行っています。
調査結果の概要
調査の成果として、現在の大学生がいかに高度な情報精査能力を備えているかが明らかになりました。大学生たちは、相手の意図や目的を把握するための適切な対話を行い、自己仮説を検証しながら最適な解決策を導き出していることが分かりました。
情報収集の方法
大学生が知りたい情報の取得方法として、最も多く挙げられたのが「自分の興味に沿った情報」で、49.9%の学生がこの選択をしました。また、48.1%は「事実として的確な情報」を重視していることが分かりました。興味に基づく情報収集には、SNSの「X」が45.5%、YouTubeが44.2%、Instagramが41.0%と、視覚的かつ即時性のあるメディアが好まれている傾向が見受けられます。対して、事実確認には34.0%が「検索エンジン」を利用し、27.8%が「テレビ」を活用しているという結果もありました。
言語表現のトレンド
また、テキストコミュニケーションにおいては、学生たちが好んで使用する略語や記号も調査されています。「!」や「?」といった感情を示す記号は79.8%が使用し、次いで「笑」が69.6%、そして「絵文字」が60.5%というものでした。これらの記号を使う理由として、「感情表現をしたいから」という意図が15.4%で、フランクなコミュニケーション感じを出すための意図も併せて見える結果となりました。
生成AIの利用状況
さらに、本調査では生成AIの利用実態も取り上げられています。「対話型生成AIを利用している」と回答した学生は59.0%に達し、その利用目的は多岐にわたります。「勉強のサポート」を80.6%の学生が選び、「課題の解決」74.6%、そして「文章の要約」を65.1%と、学業において非常に役立てられていることが伺えます。また、生成AIを通じて得られたスキルとして多くの学生が「情報処理能力の向上」(30.5%)を挙げ、分析力や読解力の向上も期待されています。
まとめ
このように、大学生特有の情報の取り扱い方や生成AIの活用は、彼らのデジタルネイティブとしての特性を反映しており、今後の教育やコミュニケーションの形に大きな影響を与えることが予想されます。現在の大学生がどのように情報を捉え、活用しているのか、さらなる研究が進むことに期待が高まります。興味を持たれる方は、是非本レポートを参照して、更なる詳細をご確認ください。